【ドイツ語のしくみ①】格・法と人称変化

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英語とドイツ語の違いや、ドイツ語の格と法、sein の人称変化などについて、例文とともに学習していきましょう。

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目次

格とは何か

まず、ドイツ語のしくみを理解するためには「」というものを知る必要があります。

名詞やその他の品詞や述語との意味関係を「格助詞」といい、インド・ヨーロッパ言語においては、語形の変化や前置詞によってその関係を示すのですが、ドイツ語には4つの「格変化」があります。

ドイツ語の「格」

1 格(Nom.)主格(〜は・〜が)
2 格(Gen.)属格(〜の)
3 格(Dat.)与格(〜に)・奪格(〜から)
4 格(Akk.)対格(〜を)

概ね日本語訳と同じではありますが、3格支配4格支配 の動詞の中には、一部これに当てはまらないものもありますので注意してください。

1格(主格/Nom.)

主語 または 述語内容「〜は」「〜が」を示す格です。

Meine Mutter ist noch nicht wach.
(私の母まだ起きていません。)

Als der Sturm vorbei war, brach die Sonne durch.
(嵐が去って太陽顔を出した。)

2格(属格/Gen.)

所有・帰属・性質など「〜の」を示します。

Marias Visum läuft Ende des Monats ab.
(マリアのビザは今月末に期限が切れます。)

3格(与格・奪格/Dat.)

間接目的語「〜に」「〜から」を示します。

Ich habe den Scheck dem Kassierer gegeben.
(私は小切手を出納係渡しました。)

4格(対格/Akk.)

直接目的語「〜を」を示します。

Nun liest jeder die Geschichte für
(今度はこのお話黙読してください。)

関連記事:【冠詞と格変化】ドイツ語トレーニング

法とは何か

話し手による「発話内容の伝え方」に関する動詞の活用体系は「」と呼ばれ、ドイツ語の法には「直説法」「命令法」「接続法」の3つがあります。

直説法

要求や非現実などの特別な意味を加えない文です。

Im Winter erkälte ich mich oft.
(私は冬によく風邪を引く。)

命令法

対話する相手への要求を表す文です。

Lassen Sie mich allein.
(一人にしてください。)

接続法

話者の頭の中の世界を表す文で、接続法1式接続法2式 があります。

用法機能
要求話法要求・願望接続法
間接話法他者の発話内容の再現接続法
不一致の許容仮定と帰結の不一致を許容接続法
非現実話法非現実・潜在的可能性接続法

Er sagte, er habe Klaustrophobie.
(彼は自分を閉所恐怖症だと言った。→ 接続法1式 間接話法)

Wenn ich Zeit hätte, ginge ich ins Konzert.
(時間があれば、コンサートに行くのに。→ 接続法2式 非現実話法)

sein の人称変化

まずは、英語の be 動詞に相当する sein から学習していきましょう。
sein の役割は、大きく分けて以下の3つに分かれます。

動詞:英語の is や are、was などと同様に、動詞(存在詞)として「〜である」「存在する」を表す

完了の助動詞:動詞の過去分詞とともに完了形をつくる

所有冠詞:3人称の人称代名詞に対応する「彼の」と、男性名詞や中性名詞を受けて「それの」として用いられる

関連記事:【sein の使い方】ドイツ語トレーニング

sein の基本的な人称変化(直説法)

sein の人称変化は、ドイツ語の例文を読んでいくうちにだんだん慣れてきますので、
迷ったらこの表で確認する、という使い方で十分です。

助動詞sein 支配
1人称bin
親称 dubist
er / sie / esist
複数形sind
2人称複数 ihrseid
親称 du 過去形warst
過去形war
ihr 過去形wart
過去形複数waren
過去分詞gewesen

sein を使った例文

Klaus ist ein netter Mensch.
(クラウスは優しい人です。→ 動詞)

Bis wann ist die Fahrkarte gültig?
(この乗車券はいつまで有効ですか? → 動詞)

Wir sind in den Bergen viel gelaufen.
(私たちは山の中をたくさん歩いた。→ 完了の助動詞)

Alle Hosen sind mir locker geworden.
(ズボンが全て緩くなってしまった。→ 完了の助動詞)

Sein Auto steht in der Garage.
(彼の車はガレージにある。→ 所有冠詞)

人称代名詞の格変化

3人称の人称代名詞は、人を表す以外に名詞の代用としても用いられます。つまり、男性名詞には er を、女性名詞には sie中性名詞には es といった具合です。

こちらの表も、さきほどの sein の人称変化と同様に、さらっと目を通すだけで大丈夫です。

1格3格4格
ichmirmich
dudirdich
SieIhnenSie
erihmihn
sie (単数) ihrsie
wir unsuns
sie (複数)ihnensie
ihr (親称複数)eucheuch
esihmes

今回は、ドイツ語の「格」と「法」についてご説明しました。

続いては、ドイツ語の「枠構造」と「平叙文」について学習していきましょう。


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