英語で説明する【神道と神社】

「日本人のほとんどは無宗教」といわれますが、日本の宗教は主に「神道」と「仏教」であると言えます。

キリスト教やイスラム教などの一神教と異なり、日本固有の宗教である「神道」の特徴のひとつとして、「八百万(やおよろず)の神」という、様々なものに無限に神様が宿っているという考え方があります。

「神道」は森羅万象に神性を見出し、人知を超えた自然界に対する畏敬の念がベースとなっており、明確な教義や教典はありません。

海外においては、「日本人は無宗教なのにどうしてモラルが高いのか」と不思議に思う人も多いようですが、日本人の多くは、誰から教えられたわけでもなく、「お天道様が見ている」「悪いことをすると罰が当たる」「御先祖様に申し訳ない」といった概念を生まれながらに持っており、これが日本人のモラルの高さを表していると思えるのです。

また、島国ゆえのハイコンテクストな集団生活の歴史の中で、「譲り合う」「空気を読む」「謝ることが美徳」「謙遜」といった、独特の文化が築かれてきたことも理由のひとつといえるでしょう。

今回は、日本の「神道」と「神社」、そして「拝礼の作法」を英語で説明する表現をご紹介していきますので、ご参考になれば幸いです。

目次

神道の簡単な説明

Shinto is an indigenous religion of Japan.
(神道は日本固有の宗教です。)

Shinto is a Japanese religion from ancient in which one worships the nature and the ancestors.
(神道は、自然と祖先を崇拝する日本古来の宗教です。)

Shinto came into existence naturally and has no founder, no fixed doctrine, and no sacred texts.
(神道は自然に成立したものであり、創始者も、決まった教義も、聖典もありません。)

In Shinto, there is no absolute god like there is in Christianity or Islam.
(神道には、キリスト教やイスラム教のような絶対神は存在しません。)

Shinto deities derive from natural phenomena and ancestors.
(神道の神々は、自然現象や先祖に由来します。)

In Shintoism, it is believed that gods dwell in everything in nature and these gods are called “Yaoyorozu-no-kami.”
(神道では、自然の全てのものに神が宿ると考え、この神々は「八百万の神」と呼ばれています。)

Shinto is a polytheism and it is said that there are eight million Shinto deities.
(神道は多神教であり、八百万の神様がいるといわれています。)

Polytheism is the belief or worshiping in many different gods.
(多神教とは、複数の神を信じたり崇拝することです。)

October of the lunar calendar is called Kannazuki, when the gods from all over the country are thought to gather in Izumo Taisha shrine.
旧暦の10月は神無月と呼ばれ、日本全国の神様が出雲大社に集まるといわれています。)

神社の説明でよく使う単語

・崇拝する、祀る:worship
・神聖な:sacred
・御祓い:purification、Shinto purification ritual など
・清める、浄化する:purify
・祈祷:prayer
・宗教的な儀式:ritual
・柄杓:ladle
・すくう:scoop
・お賽銭:money offering

この他の単語については後述します。

神社とは

日本全国におよそ8万8千社以上あるといわれている、神道の宗教施設である「神社」。

神社は、祀られている神様によって名称が異なり、皇室や氏族の祖神、産土神(うぶすながみ)、天神地祇(ちぎ)、国家に功労のあった者や偉人などの御霊が、「神様」として祀られている場所です。

Jinja usually translates to Shinto shrine in English.
(神社はふつう Shinto shrine と英訳されます。)

Jinja are religious institutions for Shinto.
(神社は、神道のための宗教施設です。)

Shinto shrines enshrine sacred objects of worship.
(神社には、御神体が祀られています。)

There are more than 100 thousand Shinto shrines in Japan, including shrines that are not officially registered.
(公式に登録されていない神社を含めると、日本には10万社以上の神社があります。)

Various Shinto rituals are held, such as festivals, weddings, and rituals to pray for the growth of children.
(神社では、お祭り、結婚式、子供の成長を願う行事など、様々な儀式が執り行われます。)

At present, a culture in Japan that has Shinto as its backdrop, has laid roots deeply in the lives of the people.
(現在、神道を背景とする日本文化が人々の生活に深く根づいています。)

The most sacred sanctuary in a Shinto shrine is the honden (main shrine) in which deities are enshrined.
(神社において最も神聖な場所は、祭神が祀られている本殿です。)

In general, visitors offer worship in front of the haiden (front shrine).
(参拝は拝殿で行うのが一般的です。)

Other institutions in a shrine include a gate called torii, chozuya at which visitors purify their hands and mouth before worship.
(このほかに、鳥居と呼ばれる門や、参拝の前に手や口を清める手水舎などがあります。)

鳥居

a gate found at the entrance of a Shinto shrine
(神社の入り口にある門)

Jinja have gates called “torii” at their entrances.
(神社の入り口には、「鳥居」と呼ばれる門があります。)

Torii is a gate standing at the entrance path to a Shinto shrine or at the entrance of the shrine grounds.
(鳥居は、神社の参道または境内の入り口に立つ門のことです。)

Torii represents/indicates the boundary between the sacred area and the secular world.
(鳥居は、神域と俗世界の境界を表しています。)

On seeing a torii, you can expect to find on the other side a Shinto shrine or a small shrine sheltering a deity.
(鳥居を見たら、その向こうには神社か神様の宿るほこらがあると思って良いでしょう。)

We bow lightly before entering Torii gate.
(鳥居をくぐる前に、軽く一礼をします。)

狛犬 / Koma-inu

寺社仏閣の入り口や前庭に置かれる、一対の獅子に似た想像上の獣の像で、ライオンをもとに形骸化されたといわれています。

You can often see a pair of statue dog-like creatures at the gate of shrine or temple.
(神社やお寺の入り口では、一対の犬に似た像をよく見かけます。)

They are called komaninu, an imaginary creature.
(それらは狛犬と呼ばれる想像上の生き物です。)

Koma-inu are believed to protect the enshrined kami (Shinto gods) and ward off evil spirits.
(狛犬は祭神を守護し、邪気を追い払うと信じられています。)

Typically, one on the right has the mouth open, the other on the left has the mouth closed.
典型的なものは、向かって右側は口を開け、左側は口を閉じています。)

This expresses the Sanskrit sound of “a” (meaning to start) and “un” (to end), and the sounds in pair symbolize the principle of the universe.
(これはサンスクリット語で始まりを意味する「a」と終わりを意味する「un」を配し、宇宙万有の原理を表しています。)

参道 / Sando

鳥居から拝殿へ続く参道。真ん中は神様の通り道とされていますので、歩くときは右側または左側を歩くようにします。
お参りに来たのですから、穏やかな気持ちで静かに歩くことが大切です。

The approach from the torii to the haiden is called the sando.
(鳥居から拝殿まで続く道を参道といいます。)

The middle part of sando is a pathway for kami (Shinto god) to follow.
(参道の中央は神様が通るための道とされています。)

Visitors are asked to walk avoiding the center of sando as they approach the sacred place.
(参拝者は、神域に近づくときは参道の真ん中を避けて歩くようにします。)

神主 / Kan-nushi

神主(神職)は一般的に、Shinto priest と訳されます。

Kan-nushi serves the kami (Gods) of Shinto, conducts Shinto rituals, offers/prays Shinto prayers at festivities, and purifies those who visit the shrine.
(神主は、祀られている神に奉仕し、神道の儀式を執り行い、祭儀で祈祷をしたり、参拝客の御祓いをしたりします。)

Shinto Priests help convey people’s wishes to the deities.
(神主は、人々の願いを神様に伝える手助けをします。)

巫女 / Miko

巫女さんは、shrine maiden と訳されます。

Miko, shrine maidens, are unmarried and assist the Shinto priests.
(巫女は、神職を補佐する役割をもつ未婚の女性です。)

手水舎の作法 / Manners of Chozuya

手水舎は、参拝の前に手や口を清めるための場所です。
これにはきちんとした作法がありますので、以下のように順を追って説明すると良いでしょう。
※ もちろん参拝方法を間違えてしまっても、深刻にとらえる必要はありません。

Visitors are encouraged to wash their hands to purify ourselves before making a prayer at the shrine.
(参拝者は、祈りを捧げる前に、身を清めるために手を洗うことが求められます。)

Chozuya, the water purification basin/fountain, is a place for cleansing the mind and body before proceeding to jinja.
(手水舎は、神前に進む前に心身を清めるための場所です。)

POINT

basin は「洗面台」や「噴水などの水溜り」、fountain は「噴水」という意味ですが、手などを清めるという目的を英語で添えれば伝わりやすいでしょう。

手水舎の作法 / Manners of chozuya

1. Pick up the ladle in your right hand and scoop some water and wash your left hand.
(柄杓を右手に取り、お水をすくって左手を洗います。)

2. Swap the ladle to your left hand and pour water on your right hand.
(柄杓を左手に持ちかえて、右手にお水を注ぎます。)

3. Swap the ladle to your right hand again and pour water into your left palm.
(再び柄杓を右手に持ちかえて、手のひらにお水を注ぎます。)

4. Rinse your mouth with the water from your palm.
(そのお水で口をすすぎます。)

5. Wash your left hand with the remaining water in the ladle.
残ったお水で左手を洗います。)

6. Hold the ladle vertically to let water run down to clean it and put it back into place upside down.
(柄杓を縦にし、残ったお水で柄を清め、元の場所に戻します。)

神社の拝礼の作法

神社における「Two bows, two claps and one bow / 二礼二拍手一礼」は、明治時代以降に定着したといわれています。

1. Bow lightly.
軽くお辞儀をします。)

2. Toss in some coins into the offertory box and ring the bell.
(お賽銭を入れ、鐘を鳴らします。)

3. Bow deeply twice.
(2回深くお辞儀をします。)

4. Clap your hands together twice.
(2回手を鳴らします。)

5. Put your hands together and pray.
(手を合わせて祈ります。)

6. After praying, bow deeply once more.
(お祈りを終えたら、もう一度深くお辞儀をします。)

日本の神様

火の神を生んだことで亡くなってしまった伊邪那美命(イザナミノミコト)を、黄泉の国から救い出すことに失敗した伊邪那岐命(イザナギノミコト)。
彼が阿波岐原で黄泉の汚れを洗い落としたときに最後に生まれ落ちた三柱の神々、日本の三貴神についての簡単な英語表現をご紹介します。

In The Kojiki, Amaterasu-Ōmikami, Tsukuyomi-no-mikoto and Susanoo-no-mikoto were born when Izanagi-no-Mikoto bathed in the river to purify himself after visiting Yomi-no-kuni, the land of the dead, in a failed attempt to rescue his deceased wife, Izanami-no-Mikoto.
(古事記において、伊邪那岐命が亡くなった妻の伊邪那美命を黄泉の国から救い出すことに失敗し、川で禊をしたときに天照大神、月読命、須佐之男命が生まれました。)

天照大神 / Amaterasu-Ōmikami

(天照大神/Wikipedia)

太陽が神格化された女神であり、記紀神話の最高神です。
天照大神を祀る「伊勢神宮」は、神社本庁の「本宗」、つまり日本で最も神聖な場所とされています。

Amaterasu-Ōmikami is the supreme deity of the Shinto and the ancestor goddess of the imperial family.
(天照大神は神道の最高神であり、皇祖神の女神です)

Amaterasu-Ōmikami is the Shinto sun goddess, and she is also said to be the chief divinity of Shintoism.
(天照大神は太陽の女神であり、神道における主神といわれています。)

Amaterasu-Ōmikami was born when Izanagi-no-Mikoto purified himself after escaping Yomi-no-kuni (Underworld) by washing his left eye.
(天照大神は、黄泉の国から逃げ帰った伊邪那岐命が禊をしたさい、左目を洗ったときに生まれました。)

Ise-Jingu is considered the most prominent (of shrines) in Japan and a quite sacred place.
(伊勢神宮は、日本の神社で最も重要で神聖な場所とされています。)

月読命 / Tsukuyomi-no-mikoto

一般的に「夜を統べる月の神様」とされていますが、あまり記紀神話に登場しないため謎が多く、「恐らく男神」といわれているほどです。

Tsukuyomi-no-mikoto is the god of the moon in Japanese mythology and brother to both Amaterasu and Susanoo.
(月読命は、日本神話における月の神様で、天照大神と須佐之男命の兄弟にあたります。)

Tsukuyomi was born when Izanagi-no-Mikoto washed his right eye.
(月読命は、伊邪那岐命が右目を洗ったときに生まれました。)

There is little known about Tsukuyomi, but maybe Tsukuyomi would be male.
(ツクヨミについてはあまり詳しく知られていませんが、恐らく男性であると見られています。)

須佐之男命 / Susanoo-no-Mikoto

(須佐之男命/Wikipedia)

「荒ぶる神」そして「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治した日本神話の英雄」として有名なスサノオノミコト(須佐之男命/素盞嗚尊)。
その粗暴な性格ゆえに、天照大神をはじめ多くの神々を悩ませたスサノオノミコトでしたが、「困ったところはあるけれど根はいい子」タイプなので、日本神話の中でも一二を争う人気のある神様です。

Susanoo-no-Mikoto is described in The Kojiki and The Nihon-Shoki as the son of Izanagi and the younger brother of Amaterasu-Ōmikami.
(スサノオノミコトは、古事記および日本書紀では、伊邪那岐命の息子で天照大神の弟として描かれています。)

Yamata-no-orochi is a legendary eight-headed and eight-tailed Japanese serpent.
(八岐大蛇とは、八つの頭と尾をもつ日本の伝説上の大蛇です。)

Susanoo-no-Mikoto killed Yamata-no-orochi in order to escape Kushinada-hime (Princess Kushinada), and presented Kusanagi-no-tsurugi, a mythical Japanese sword within the serpent’s body, to Amaterasu-Ōmikami.
(スサノオノミコトは、クシナダヒメ(櫛名田比売)を救うために八岐大蛇を退治し、大蛇の体から出てきた草薙剣を天照大神に献上しました。)

お天道様は見ている

「良いことをしても悪いことをしても、きっと神様が見ている」という意味ですが、英語では以下のような表現があります。

  • God knows everything.
  • God is watching you.

「陰徳を積みなさい」:Do good deeds secretly.

御神酒 / Omiki

御神酒」とは、神道において神様に供えるお酒のことです。主に日本酒を指し、お酒の讃美称語として扱われます。

その昔、農耕民族はお米を神社に奉納していたため、お米からつくられたお酒には特別な意味がありました。

神饌(神様に捧げる食事)には欠かせないもので、御神酒を神前に供え、祭礼のあとに神様に供えられ霊力が宿ったお酒をいただく、神様と同じものを飲食するという意味があり、神様に捧げたお酒を飲めば、その霊力を自身の体に取り込むことができるとされています。

御神酒の簡単な言い方としては、

  • sacred rice wine
  • sake offered to the Shinto gods/deities

などがあります。

“Omiki” or “Shinshu”, refers to the sake rice wine that is offered to Kami (Shinto deities).
(御神酒または神酒は、神道の神様にお供えするお酒のことです。)

At Shinto festivals, Omiki is one of the essential offerings to the Shinto shrine and Shinto altar. 
(神道の祭礼においては、御神酒は神社や神棚へのお供えに欠かせないもののひとつです。)

It is said that if you drink Omiki dedicated to deities, you can take in deity’s spiritual power into your body.
(神様に捧げられた御神酒を飲むと、神様の霊力を体に取り込むことができるとされています。)

最後に

神道や神社は、日本の文化や歴史を語る上で欠かせないものです。外国の方々に説明するときは、神道の特徴や概念、そして初詣やおみくじなどについても添えると、より伝わりやすくなるかと思います。
別記事でご紹介しておりますので、ご興味のある方は是非そちらもご覧ください。

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