英語で説明する【将棋のルール】

日本の伝統的なボードゲームであり、世代を超えた人気を誇る「将棋」。
今回は、そんな「頭脳の格闘技」といわれる将棋を英語で説明する表現をご紹介していきます。

目次

将棋の簡単な説明 / Shogi

将棋は世界的に人気が高まってきていますので、最近では shogi で通じることも多くなっています。

将棋をご存知ない外国人の方には、とりあえず Japanese chess と伝えると、どんなゲームなのかを想像してもらうことができるでしょう。

チェスと似たボードゲームではありますが、最も大きな違いは、相手の駒を自分のものとして使うことができる点です。

また、自分の駒が敵陣に入ると、より強力な駒に変化します。これを駒が「成るといいます。

Shogi is a traditional Japanese board game similar to chess.
(将棋は、チェスに似た日本の伝統的なボードゲームです。)

Shogi is played on a wooden board with 81 rectangles in a grid of 9 rows and columns.
(将棋は、縦横9マスずつ計81マスに区切られた木製の盤上で行います。)

  • The biggest difference between shogi and chess is that you can use as yours the opponent’s pieces you have captured.
  • The biggest difference between in them is that in shogi when you take the opponent’s pieces, you can use them as your own.
    (将棋とチェスの最も大きな違いは、自分が捕らえた相手の駒を自分のものとして再び使用できることです。)

In shogi, you can use the captured pieces.
(将棋では、奪った駒を使うことができます。)

Captured pieces can be returned to the board by the captor to be used as part of the captor’s forces.
(取られた駒は取った人の戦力として盤面に戻ることができます。)

captor は「捕獲した人」という意味で、ここでは「駒を取った人」となります。

Both of them come from a game called “chaturanga”, which was originated in ancient India, and was introduced to Japan through China.
(どちらも、古代インドで生まれ中国を通じて日本に伝来した「チャトランガ」というゲームからきています。)

Each player has 20 pieces made of wood carved in a pentagonal shape.
(プレイヤーはそれぞれ、木製の五角形の駒を20枚持ちます。)

Characters indicating eight different ranks and roles, such as ōshō or hisha, are written on the pieces.
(駒には、王将や飛車などの8種類の異なる地位と役割を示す文字が書かれています。)

Each player begins with 20 pieces. One King, one Rook, one Bishop, two Gold Generals, two Silver Generals, two Knights, two Lances and nine Pawns.
(プレイヤーはそれぞれ合計20枚の駒を持ちます。王将1枚、飛車1枚、角行1枚、金将2枚、銀将2枚、桂馬2枚、香車2枚、歩兵9枚です。)

The two players place their pieces on the board, and move them in turn.
(2人のプレイヤーが盤の上に駒を置き、交互に動かします。)

Each piece moves differently.
(駒によって動きが異なります。)

When your piece moves into an opponent’s position, you can take the opponent’s piece and use it as yours.
(自分の動く方向に敵の駒がある場合、その駒を取って自分の駒として使うことができます。)

Each player takes the opponent’s pieces to checkmate the king.
(相手の駒を取りながら王将に迫ります。)

The object of the game is to checkmate the opponent’s king.
(相手の王を討ちとれば勝利となります。→ ゲームの目的は相手の王を討ちとることです)

It means the king can be taken on the next turn and the player who lost the king loses the game.
次の手で自分の王が取られることが確定したときは敗北となります。)

駒の「成り」 についてはのちほどご説明します。

POINT

自分が奪った相手の駒を再利用できる点を説明するときに、use のほかに reuse や replay を使っても伝えることができます。

将棋の駒の種類と動き

続いては駒の名前と動きについてご説明します。

チェスをご存知の方に説明するのであれば、王将はキング、飛車はルーク、角行はビショップ、歩兵はポーンと伝えれば十分ですが、桂馬はナイトと若干動きが異なり、また金将、銀将、香車はチェスにはありませんので、移動できる範囲をきちんと説明する必要があります。

駒の英語名

・王将:King
・飛車:Rook
・角行:Bishop
・桂馬:Knight
・歩兵:Pawn
・金将:Gold general
・銀将:Silver general
・香車:Lance

成駒は、それぞれの駒の頭に promoted(昇格した)をつけます。

王将 / Ōshō / Gyoku

Ōshō moves exactly like the King in western chess.
(王将は、チェスのキングと全く同じ動きをします。)

Ōshō moves one square in any direction, orthogonal or diagonal.
(王将は、縦横、斜めに1マス動くことができます。)

飛車 / Hisha

Hisha moves the same as a rook in chess.
(飛車は、チェスのルークと同じ動きをします。)

  • A rook moves any number of spaces vertically or horizontally.
  • Hisha moves any number of squares forward, backward, left or right.
    (飛車は、縦横に何マスでも動くことができます。)

龍王 / Ryuo

A promoted rook moves as a rook and as a king.
(龍王は、ルークまたはキングと同じ動きをします。)

角行 / Kakugyo

Kakugyo moves the same as a bishop in chess.
(角行は、チェスのビショップと同じ動きをします。)

A bishop moves as many spaces as desired in any of the four diagonal directions.
(角行は、斜め四方向に何マスでも動くことができます。)

龍馬 / Ryuma

A promoted bishop moves as a bishop and as a king.
(龍馬は、ビショップまたはキングと同じ動きをします。)

桂馬 / Knight

A knight moves one space forward, plus one space forward-diagonal
(桂馬は、前へ1つ、そして1つ斜め前へのマスに進むことができます。)

Keima is like a western chess knight, but it cannot move to a backwards direction.
(桂馬はチェスのナイトと似ていますが、将棋では後ろに動くことはできません。)

Keima is like a limited version of the knight in chess.
(桂馬は、チェスのナイトの動きが制限されたタイプの駒です。)

Keima is the only piece which may jump over other pieces.
(桂馬は唯一、他の駒を飛び越えることができます。)

桂 / Kei (Narikei)

A promoted bishop moves the same as a gold.
(「成桂」は、「金」と同じ動きをします。)

歩兵 / Fuhyo

Fuhyo moves the same as a pawn in chess.
(歩兵は、チェスのポーンと同じ動きをします。)

A pawn moves one square straight forward.
(ポーンは前に1マス動くことができます。)

と金 / Tokin

A promoted pawn moves the same as a gold.
(「と金」は、「金」と同じ動きをします。)

金 / Kin-sho

A gold general moves one space in any direction except back-diagonal, giving it six possible destinations.
(金将は、斜め後ろを除いた、縦横斜め前1マスの計6マス動くことができます。)

銀 / Gin-sho

A silver general can move one space diagonally or forward, giving it five possible destinations.
(銀将は、前1マスと斜めに1マスの計5マス動くことができます。)

成銀 / Narigin

A promoted silver moves the same as a gold general.
(「成銀」は「金」と同じ動きをします。)

香車 / Kyosha

A Lance moves any number of free squares directly forward.
(香車は、前方の空いているマスにいくつでも動くことができます。)

成香 / Narikyo

A promoted lance moves the same as a gold general.
(「成香」は「金」と同じ動きをします。)

駒の「成り」

将棋盤は縦横9マスずつありますが、対局開始時に自分の駒を並べる手前3列は「自陣」、相手側の3列は「敵陣」、真ん中の3列は「中央」と呼ばれています。

敵陣に自分の駒が侵入でき、なおかつそこから動いたときに、駒をひっくり返してより強力な駒に変化させることができます。ここでいう「強力」とは、移動範囲を拡張させることを意味します。

しかし、必ずしも「成り」をしなければならないわけではなく、状況によっては成らないほうが良い場合もあります。
一度成ってしまうと元には戻れませんので、判断を誤らないように十分注意しましょう。

この「成り」は英語では promote(昇格)と表現し、駒の頭に promoted をつけるのが一般的です。
例えば 「桂」は桂馬が成ったものですので promoted knight となります。

また、「敵陣」は promotion zone や、the last three rows on the opposite endthe opponent’s camp などと訳されます。

If a piece other than the King or Gold General makes a move within the last three rows on the opposite end, then the player can choose to promote that piece.
(王将と金将以外の駒が最終の3列(敵陣)に入った場合、プレイヤーは成るかどうか選択することができます。)

“Promotion” means that the moves of the piece are expanded.
(「成る」とは、その駒の移動範囲が広がったことを意味します。)

Its promoted name is written on its other side.
(成ったときの名前は、駒の裏側に書かれています。)

A promoted piece is called “Narigoma.”
(成った駒のことを「成駒」といいます。)

Promotion is indicated by turning the piece over after the corresponding move, revealing the character for the promoted rank.
(駒の成りは、駒を移動後に裏返して移動可能な範囲を明らかにすることによって示されます。)

Once a piece is promoted it cannot be demoted back into its original ones.
(成った駒は元の状態に戻すことはできません。)

GHQから将棋を守った男のお話

このお話は、将棋好きの方はもちろん、「やりすぎ都市伝説」でも紹介されたことがありますので、ご存知の方も多いかと思います。

時は1945年、太平洋戦争で敗北を喫した日本。
GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)は、日本を二度と歯向かってこない国にしようと、柔道や剣道などの武道、戦闘シーンが含まれる剣術映画、忠臣蔵など復讐心をあおる芸能を危険と見なし、あの手この手で日本文化を消滅させようと試みました。

独特の精神文化に裏打ちされた日本は、占領国にとってはある種異様で脅威に映ったのです。

戦国時代から戦の練習などに使われてきた「将棋」も例外ではなく、日本から軍国主義的な要素を全て排除しようとしていた占領国は、将棋も無くそうとしていました。

日本将棋連盟はここで伝説の天才、升田幸三という大棋士をGHQに送り込みます。

升田幸三、当時29歳。
ヘビースモーカーで酒豪、戦火を生き抜いたその風貌はまさに野武士のよう。
「おれがにらめば、横には動けぬ銀でも横に動くのだ。」などの名言を残した豪快な男で、彼は1956年、大山康晴名人との王将戦において、名人を香落ちに指し込み、勝利したことで大変有名です。

「香落ち」とは、一方が二枚の香車を一枚にして対局するという意味で、一種のハンデ戦であり、棋士の段位ではなく勝敗によってハンデを動かしていくことを「指し込み」といいます。
つまり、本来最上位でありハンデなどありえない名人に対して「香車を引いて勝利した」ことが、升田の凄さを物語っています。

1947年の夏、場所は日比谷のGHQ本部。
GHQのナンバー2で、マッカーサー元帥の右腕ともいわれたホイットニー将校と升田幸三の、将棋の存続を賭けた世紀の一騎打ちが始まりました。

ホイットニー将校が、「お前のところの将棋は、取った相手の駒を自分の駒として使うらしいな。これは戦争でいう捕虜の虐待にあたる。人道に反するものではないのか。」と先手を討ちました。

常に先を読むのが棋士。
升田は、自分がGHQに呼ばれた意味を理解していました。
「将棋の未来のために、俺が詰まれるわけにはいかない。」

升田はこう切り返しました。
「何を言っている。取った駒を自分の駒として使うということは、それぞれの能力を尊重し働き場所を与えているのだ。しかも金は金、飛車は飛車、同じ階級で使っている。これ以上人道的なことがあるか。
それに比べてお前のところのチェスはどうだ。取った駒を使いもせずに捨てる。これは戦争でいうところの捕虜の虐殺にあたるのではないか。」

さすがは升田、完璧ともいえる反論でした。

一瞬ひるんだホイットニー将校でしたが、彼は切り札を用意していました。
名人木村義雄が戦時中、軍部に戦術的指導をしていた事実を突きつけてきたのです。
「日本の軍部が間違った方向に進んだのは、将棋とその名人のせいではないのか?」

これを認めてしまえば将棋が消される。かといって将棋を守ろうとすれば木村一人に責任を負わせることになる。

升田は、大胆にもこう返しました。

「考えてもみろ。俺がもし指導をしていたら、お前たちは負けていたぞ。お前たちが勝ったのは木村名人のおかげだ。感謝したほうがいい。」

升田がGHQを詰んだ瞬間でした。将棋は生き残ったのです。

最初は圧倒的な余裕を見せていたGHQでしたが、その後5時間にもわたる升田の話に聞き入っていたといいます。

そして最後に升田は言いました。
「戦犯の連中を殺さないでくれ。彼らを生かして役立てる道を考えて欲しい。」

将棋の精神を占領政策に取り入れるようにと演説を締めくくり、彼はGHQをあとにしました。

それが功を奏したのか、全員処刑される予定だった日本の戦犯や捕虜の一部をGHQは釈放します。
この釈放された中に、のちに総理大臣となる岸信介がいたこと、そしてその孫が安倍晋三であることを考えると、運命というのは分からないものです。

升田幸三という天才がいなければ、日本から将棋は消えていたのかもしれません。

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