【dann と denn の違い】ドイツ語トレーニング

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ドイツ語の danndenn は、綴りも響きもそっくりなので、慣れないうちは迷ってしまうかもしれません。

今回は、danndenn の違い、そして使い方を例文とともに徹底的に解説していきますので、この機会にさくっとマスターしてしまいましょう。

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目次

dann と denn の違い

danndenn は、意味も役割も全く異なります。

dann

  • 品詞:副詞
  • 過去や未来における事象について、時間的な順序を示して「それから」「そうすれば」などを表す

denn

  • 並列接続詞:前文の発言内容の根拠や理由をあとから説明して「というのは 〜 だからだ」を表す
  • 同じく理由を述べる接続詞である weil との違いは、weil が主文との因果関係が緊密なのに対して、denn は発話内容の根拠や理由を補足的に述べるときに使われる
  • 接続詞のほか、副詞、心態詞 の用法がある。

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dann の使い方

dann は副詞ですが、「接続詞的副詞」とも言われており、先立つ事象や条件との関係を受け、時間的順序を示して「それから」「そうすれば」などを表します。

例文を読みながら確認していきましょう。

それから、さらに

Was machen wir dann?
(それから何をしようか。)

Und was geschah dann?
(それから何が起きたの?)

Geh erst links, dann rechts.
(まず左へ行って、それから右へ行くんだ。)

Erst regnete es, dann schneite es.
(初めは雨で、そのあと雪になった。)

Erst die Arbeit, dann das Vergnügen.
(まず仕事、遊びはその後だ。)

Dann kommt noch die Mehrwertsteuer hinzu.
(さらに付加価値税が加算される。)

Und dann vergiss bitte nicht, zur Post zu gehen.
(あと、郵便局に寄るのも忘れないでね。)

Es knallte ein Schuss, dann war alles still.
(一発の銃声が響いたあと、辺りは静まり返った。)

Ich war müde, und dann hatte ich auch keine Zeit.
(私は疲れていた上に時間もなかった。)

Er ist der Beste in der Klasse, dann komme ich als Zweitbester.
(彼がクラスのトップで、私が2番だ。)

Voran fuhren die Motorräder, dann folgte der Wagen des Präsidenten.
(オートバイが先導し、そのあとに大統領の車が続いた。)

In Deutschland zahlt man am Tisch. Man ruft die Bedienung und sagt dann, „Zahlen bitte“.
(ドイツではテーブルでお会計を済ませるんだよ。ウェイターを呼んで「お会計をお願いします」と言えばいいんだ。)

Zuerst lebte er allein in Deutschland, dann kamen seine Frau und seine Kinder nach.
(まず彼が一人でドイツに住み、そのあと妻と子供たちがやって来た。)

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POINT

・vergnügen:楽しむ、興ずる
・hinzukommen:❶その場にやって来て加わる ❷さらに加わる
・knallen:(「ドン」「ドシン」「パタン」などと) 音を立てる
・der Schuss:❶弾丸、銃弾、発砲 ❷(スポーツの) シュート ❸(飲食物の) 少量、ひとつまみ
・still:静かな、音を立てない
・die Bedienung:給仕、接待、サービス

そのときに

他の時点と関連させて、「そのときに」を表現します。時点を曖昧にして、漠然とした言い方にすることも出来ます。

Dann komme ich.
(また来ます。)

Ich sehe dann mal nach.
(あとで調べておくよ。)

Bald habe ich Urlaub, dann besuche ich euch.
(僕はもうすぐ休暇だから、そのときに君たちのもとを訪ねるよ。)

Wenn das Wetter schön ist, dann fahren wir weg.
(天気が良かったら出かけよう。)

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POINT

・nachsehen:調べる、確認する
・wegfahren:(乗り物に乗って) 出発する

そうすれば、その場合は

wenn を使った条件文などと関連付けたり、命令文を受けて「そうすれば」を表すことがあります。

Noch drei Tage, dann ist Weihnachten.
(あと3日でクリスマスだ。)

Wenn du das nicht weißt, wer soll es dann wissen?
(君が知らないなら、誰が知っていると言うのか。)

Du kommst immer gerade dann, wenn es Kaffee und Kuchen gibt.
(君はコーヒーとケーキがある時に限ってやって来る。)

Selbst dann, wenn er recht hätte, dürfte er nicht in diesem Ton sprechen.
(彼の言う通りだとしても、こんな言い方をすべきではない。)

Wenn du noch einmal schwatzt, dann bekommst du einen Verweis.
(もう一度喋ったら大目玉を喰らうぞ。)

Du musst vernünftig sein, nur dann wirst du gesund.
(きちんとしていないと健康になれないよ。)

Warte noch 5 Minuten, dann kann ich mitgehen.
(もう5分待ってくれれば一緒に行けるよ。)

Ich habe meine Diplomarbeit bald geschafft. Und dann bin ich endlich frei!
(もうすぐ卒論が出来上がる。そうすればやっと自由だ!)

Kann ich dieses Kleid selbst waschen? − Ich würde es reinigen lassen. Dann brauchen Sie nicht zu bügeln.
(このドレスは自分で洗えますか? − 私ならクリーニングしてもらいますね。そうすればアイロンがけの必要もないですし。)

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POINT

・der Ton:❶音、響き、口調、音調 ❷粘土
・schwatzen:(人が、意味のない言葉を) 発する、ぶつぶつ言う
・der Verweis:叱責、非難
・vernünftig:分別のある、筋の通った、(口語) まともな、ちゃんとした
・schaffen:❶(規則変化) やり遂げる、達成する、仕事をする、処理する ❷(不規則変化) 創造する、つくる
・reinigen:清める、洗浄する、ドライクリーニングする
・bügeln:アイロンをかける

決まり文句

Bis dann! / Dann bis morgen!
(じゃあまたね! / また明日ね!)

Ich höre dann und wann von ihm.
(時々、彼から連絡があります。)

Sie kommt mich dann und wann besuchen.
(彼女は時々僕に会いに来てくれる。)

Ich esse dann und wann ganz gerne Scharfes.
(時々、スパイスの効いたものを食べたくなる)

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POINT

・dann und wann:ときどき
・scharf:❶鋭い、尖った ❷(写真などが) 鮮明な ❸(光や音などが) 強い ❹(味・においなどが) 刺激的な
→ ※ ここでは形容詞が名詞化して中性名詞になっています

denn の使い方

denn は、並列接続詞、副詞、心態詞 としての使い方があります。

  • 並列接続詞:主文と主文を対等に並べて接続する役割をもつ。従属接続詞と異なり、定動詞の位置に影響はない。
  • 心態詞:話者の主観的感情などを豊かに表現する語の総称。denn は疑問文で用いられる。

並列接続詞

weildenn の違いは、weil は主文と副文に因果関係が成立しなければならないことに対して、denn は発言内容の判断の根拠を述べるときに使われるため、必ずしもそこに因果関係は要求されません。

従って、weildenn に言い換えられますが、その逆は意味として成立しないことが多々あります。

Fahr vorsichtig, denn die Straßen sind glatt.
(気をつけて運転しなさい、道が滑りやすいから。)

Ich blieb zu Hause, denn das Wetter war schlecht.
(私は家にいた。天気が悪かったからだ。)

Er muss krank sein, denn er sieht blass aus.
(彼は病気かもしれない、顔色が悪いから。)

Es muss draußen kalt sein, denn es fängt an zu schneien.
(外はきっと寒いわ。雪が降り始めてるもの。)

Ich komme später, denn ich habe noch etwas zu erledigen.
(あとでうかがいます。まだ済まさないといけない用事がありますので。)

Sie wollte nicht zum Ball gehen, denn sie hatte kein Abendkleid.
(彼女は舞踏会へ行きたくなかった。ドレスがなかったからだ。)

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POINT

・glatt:【形容詞】なめらかな、つるつるした、すべすべの、シワのない /【副詞】スムーズに、円滑に、淀みなく
・blass:青白い、蒼白な
・erledigen:終わらせる、やり終える
・der Ball:❶ボール ❷舞踏会

〜の場合を除いて

es sei denn . . . のかたちをとり、「〜の場合は別だが」の表現になります。

Wir fliegen morgen ab, es sei denn, dass es ein Unwetter gibt.
(明日飛行機で発ちます。嵐にでもなれば別ですが。)

Er kommt, es sei denn, es käme ihm etwas dazwischen.
(何か都合が悪くならない限り、彼は来る。)

POINT

・das Unwetter:大嵐、暴風雨
・dazwischen:❶(空間・場所・出来事) その間に ❷(多数の) その中に

比較級とともに

denn は、als の重複を避けて「〜よりも」を表現するときに使うことが出来ます。

Sie ist als Komponistin bekannter denn als Sängerin.
(彼女は歌手としてよりも作曲家として知られている。)

Er ist als Schauspieler bedeutender denn als Künstler.
(彼は芸術家としてよりも俳優としてのほうが優れている。)

Das rate ich dir mehr als Arzt denn als Freund.
(私は友人としてよりむしろ医者として君に忠告する。)

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POINT

・bekannt:(多くの人によく) 知られた、有名な、既知の、馴染みの
・bedeutend:重要な、大きな、有名な、影響力のある
・raten:❶助言する、忠告する、勧める ❷言い当てる、推測する

so とともに

平叙文で、先行する文の帰結を示し「そこで」「それならば」などを表します。

Also, ich gehe denn jetzt.
(それじゃ、僕は行くよ。)

Ich habe noch viel Arbeit, so muss ich denn jetzt gehen.
(まだ色々と仕事がありますので、もう行かなければなりません。)

Es war spät geworden, und so gingen wir denn nach Hause.
(遅くなったので私たちは家に帰った。)

Es war nun auch Zeit zum Aufbrechen, so ging er denn.
(出発の時間でもあったので、彼は立ち去った。)

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POINT

・aufbrechen:❶(無理に) こじ開ける ❷出発する、旅立つ
※ 動詞が名詞化した場合は中性名詞になります。

doch とともに

denn doch で「しかし結局」「やはり」などを表します。

Der Wagen war mir denn doch zu teuer.
(その車は私にはやっぱり高すぎた。)

Da kann ich denn doch nicht akzeptieren.
(私はやはりそれを受け入れることは出来ない。)

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心態詞

ドイツ語には、話者のわずかな心の動きを豊かに表現する「心態詞」という独特の言葉があります。

代表的なものには、dochbloßschonjaebeneigentlichnunwohlmaleinfach などがあります。

そして denn は、疑問文で疑念・驚き・関心・気安さ などを強調したり、命令や勧誘を表すときに用いられます。

Was ist denn dabei?
(それがどうしたって言うんだい?)

Habt ihr denn kein Geld?
(君たち、お金を持ってないの?)

Was ist denn jetzt schon wieder los?
(一体何が起こっているんだ?)

Was sagen Sie denn zu diesem Wetter?
(この天気、どう思いますか?)

Glaubst du denn wirklich, dass er kommt?
(君は本当に彼が来ると思っているの?)

Hast du denn aus deinen Fehlern nichts gelernt?
(君は自分のミスから何も学んでいないのか?)

Hast du denn alle Pläne für dein Leben realisiert?
(君の人生設計は全て実現したってことかい?)

Glaubst du denn, ich lasse mir alles gefallen?
(私が全てを我慢すると思っているの?)

Wollen wir in den Nachtclub gehen?
– Wie kommst du denn gerade auf mich?
(ナイトクラブに行かない? − どうしてよりによって僕なの?)

Ich habe gestern mit ihm gesprochen. − Wo denn?
(昨日彼と話したよ。– 一体どこで?)

Das will ich nicht. − Was willst du denn?
(そんなことはやりたくないね。– じゃあ一体何がやりたいんだ?)

Warum bist du denn böse?
– Ich bin sauer, dass du die Party so kurzfristig abgesagt hast.
(どうして怒ってるの? − 君がパーティをドタキャンしたからに決まっているだろう。)

Geht Hans denn immer so spät schlafen?
– Aber nein, gewöhnlich geht er zeitig ins Bett. Heute ist eine Ausnahme.
(いつもハンスはこんなに遅く寝るの? − そんなことないわ。普段は早めにベッドに入るんだけど、今日は例外よ。)

Da hat jemand sein Auto vor meines geparkt. Wie soll ich denn da herausfahren?
(そこで誰かが私の車の前に駐車しているの。どうやって出したらいいかな。)

Du weißt nicht, wo diese Landschaft in Deutschland liegt? Kannst du dich denn nicht mehr an deine Heimat erinnern?
(この風景がドイツのどこか、分からないの? もう故郷のことは思い出せないのかしら。)

Wir wollen denn gleich mit der Arbeit beginnen.
(さあ、仕事に取り掛かろう。)

Auf/Nun denn!
(さあ始めよう。)

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POINT

・los sein:(特別なことが) 生じる、起こる
・der Fehler:間違い、誤り、欠陥、欠点
・absagen:(催しなどを) 取りやめる、(招待などを) 取り消す、断る
・böse:怒っている、残忍な、むごい、ひどい
・zeitig:【形容詞】早めの /【副詞】早くに
・die Ausnahme:例外、特例
・sich an jdn./etw. erinnern:(人や物を) 覚えている


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