【dürfen/話法の助動詞】ドイツ語トレーニング

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ドイツ語で「〜しても良い」を意味する dürfen は、ドイツ語の「話法の助動詞」のひとつで、主に許可や禁止、強い願望などを表します。

話法の助動詞とは、定動詞の原形と結びついて、その叙述を助けたり、名詞や形容詞などに叙述の働きを与えたりする機能をもっており、mögenkönnenmüssensollenwollendürfen の6つを指します。

今回はこのうちの dürfen の使い方を、豊富な例文とともにご紹介しますので、しっかりとマスターしていきましょう。

ご興味のある方は、当サイトで ドイツ語クイズ(5000問) を出題しておりますので是非ご覧ください。

目次

dürfen の基本概念

dürfen は、基本的には「〜して良い」という許可を表し、転じて「〜して欲しくない」という強い願望や、「おそらく〜だ」という推量などを表すときに使われます。

同じゲルマン祖語である英語では、maybe allowed to の機能に非常によく似ています。

dürfen の基本の活用形

助動詞haben 支配
1人称darf
親称 dudarfst
er / sie / esdarf
2人称複数 ihrdürft
親称 du 過去形durftest
過去形durfte
ihr 過去形durftet
過去形複数durften
過去分詞gedurft

許可

「〜して良い」という許可を表しますが、口語では dürfen で許可を求められた場合に können で答える傾向があります。(例:Ja, du kannst . . . )
接続法2式 を用いると、より丁寧な表現になります。

Darf ich den Computer benutzen?
(コンピュータを使ってもいいですか?)

Darf man stören?
(お邪魔してよろしいですか?)

Hier darf man parken.
(ここは駐車して良い。)

Darf ich um Ihren Namen bitten?
(お名前をお伺いできますか? → 丁寧ですが、断らせないニュアンス)

Darf ich mal durchgehen?
(ちょっと通していただけますか?)

Ab 18 Jahren darf jeder wählen.
(18歳以上は誰でも選挙権がある。)

Donnerstags dürfen die Läden bis 20 Uhr 30 geöffnet bleiben.
(木曜日は、商店は午後8時半まで営業して良い。)

Dürfte ich Sie nach Ihrem Namen und Ihrer Anschrift fragen?
(お名前とご住所をお伺いしても宜しいですか?)

Dürfte ich wohl einmal Ihre Toilette benutzen?
(お手洗いをお借りしても宜しいですか?)

Darf ich Ihnen etwas zu trinken anbieten?
(何かお飲み物でもいかがですか。)

Haben Sie heute Mittag schon etwas vor? Darf ich Ihnen Frau Schmidt vorstellen?
(今日のお昼は何か予定ありますか? シュミットさんを紹介してもいいでしょうか。)

関連記事:【anbieten】ドイツ語の分離動詞を攻略する

POINT

・benutzen:使う、用いる、利用する
・um etw. bitten:〜を尋ねる
・wählen:選択する、(選挙で)選ぶ
・der Anschrift:住所、宛名
・anbieten:(提供・協力・援助などを)申し出る

禁止

Hier darf nicht geraucht werden.
(ここは禁煙です。)

Die Kinder dürfen keinen Alkohol trinken.
(子供たちはお酒を飲んではいけない。)

In unserem Mietvertrag steht, dass wir keine Haustiere halten dürfen.
(賃貸契約によると、ペットを飼ってはいけない。)

関連記事:【stehen】ドイツ語の基本動詞をマスターする

POINT

・der Mietertrag:賃貸契約
・stehen:載っている、(そこに)ある、立っている

希望・要求

「〜するのが良い」「〜して欲しい」などの丁寧な要求を表現します。

Darf ich Ihnen helfen?
(お手伝いしましょうか?)

Was darf es sein?
(何になさいますか? →お店などで)

Ein Ei darf nur fünf Minuten kochen.
(卵は5分だけ茹でるのが良い。)

Ich würde mich freuen, Sie begrüßen zu dürfen.
(楽しみにお待ちしております。→ 招待した側の表現)

関連記事:【zu 不定詞】ドイツ語トレーニング

POINT

・sich freuen:喜ぶ、嬉しく思う
・jdn. begrüßen:歓迎の挨拶をする、歓迎する、人を喜んで迎え入れる

願望

否定語を伴って、話者の希望、道徳的要求などを表します。

Das darf nicht wahr sein.
(それが本当だとは信じたくない。)

Ihm darf nicht geschehen.
(彼の身に何も起こらなければいいのだが。)

So darfst du mir nicht kommen.
(私にそういう態度はとって欲しくない。)

So böse Schimpfworte darf man nicht sagen.
(そんな汚い言葉を使うべきではない。)

Man darf Tiere nicht quälen.
(動物をいじめてはいけない。)

関連記事:【kein と nicht の違い】ドイツ語トレーニング

POINT

・geschehen:起こる、生じる
・das Schimpfwort:侮辱の言葉、悪態
・quälen:(肉体的苦痛・病気・罪の意識・困難な問題などで)苦しめる

推量・婉曲な主張

接続法2式を用いて、「おそらく〜だろう」という推量を表します。müssen の次に確信度が高いです。

Sie dürfte jetzt im Büro sein.
(彼女はおそらく会社にいるでしょう。)

Das dürfte ein Irrtum sein.
(それは思い違いではないでしょうか。)

Dies dürfte eine leichte Aufgabe sein.
(これは易しい課題でしょう。)

Er dürfte wohl schon 40 Jahre alt.
(彼はもう40歳にはなっているだろう。)

関連記事:【schon の使い方】ドイツ語トレーニング

POINT

・der Irrtum:思い違い、間違い
・die Aufgabe:任務、課題、作業、仕事

理由・根拠

「〜するのももっともだ」という、「正当な理由」の意味で使われます。

Sie dürfen es mir glauben.
(それを信じていただいて構いません。)

Er darf sich nicht beklagen.
(彼が不平を言うのはおかしい。)

Sie dürfen ruhig auf Ihren Sohn stolz sein.
(あなたは息子さんのことを自慢できますよ。)

Dieses Buch dürfte für Sie von besonderem Interesse sein.
(この本はあなたにとって興味深いと思いますよ。)

関連記事:【denken・glauben・meinen の違い】ドイツ語トレーニング

POINT

・sich beklagen:苦情を言う、不平を言う
・auf jdn./etw. stolz sein:〜を誇りに思う
・besondere:特殊な、特別な

独立した動詞として

文の要素から明らかにそれと分かる定動詞を省略し、dürfen のみで「して良い」を表現することもよくあります。

Darf ich mit?
(一緒に行ってもいいですか?)

Jetzt darf jeder nach Hause.
(今はもう誰でも帰宅して良い。)

Sie durfte nicht auf die Party.
(彼女はパーティに行かせてもらえなかった。)

Er ist krank und darf nicht in die Schule.
(彼は病気なので学校に行ってはいけない。)

Ich möchte mitkommen, aber ich darf es nicht.
(私は行きたいけれど、許してもらえない。)

Um diese Zeit dürfen die Kinder nicht mehr nach draußen.
(この時間帯は、子供たちはもう外で遊んではいけない。)

関連記事:【前綴り mit-】ドイツ語の分離動詞を攻略する

POINT

・mitkommen:一緒に行く・来る
・nicht mehr:もはや〜ない


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