【不定形と 不定詞】ドイツ語トレーニング

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「不定形」と「不定詞」。堅苦しい文法用語のひとつで、いまいち分かりにくくて取っ付きづらいと感じている方もいらっしゃるかもしれません。
「不定」とは文字通り「定まっていない」状態で、「時制や人称などによる活用をさせずに原形で用いる」ため「不定形」と呼ばれています。

今回は、この「不定形」と「不定詞」について、例文とともに詳しくご紹介していきます。

ご興味のある方は、当サイトで ドイツ語クイズ(5000問) を出題しておりますので是非ご覧ください。

目次

不定詞とは

文において用いられる動詞のうち、主語、数、時制、法 などに呼応して用いられるものを「定形」、これらに呼応させることなく、活用させずに原形で用いられる動詞を「不定形」といいます。

不定形の動詞は、「不定詞」と「分詞(現在分詞・過去分詞)」に分かれます。

不定詞の用法

不定詞は、元来「〜するということ」「〜すること」の意味を持っています。

主に、話法の助動詞や werden のほか、sehenhören などの知覚動詞、heißentun、使役の助動詞 lassen などと組み合わせて用いられます。

以下の例文で、動詞が不定詞つまり原形で用いられていることを確認しながら、出来るだけ声に出して読み進めてみてください。

話法の助動詞

話法の助動詞は、könnendürfenmögenwollensollenmüssen の6つがあります。

Er muss krank sein.
(彼は病気だったに違いない。)

Wir wollen ein Haus bauen.
(私たちは家を建てたい。)

Morgen muss ich sehr früh aufstehen.
(明日、私は早く起きなければならない。)

In diesem Kapitel sollen Sie die Kotangensfunktion lernen.
(この章では余接関数を学ぶ必要があります。)

Er kann allzu energische Frauen nicht leiden.
(彼はエネルギッシュ過ぎる女性が好きではありません。)

Ich möchte Spezialitäten dieser Gegend essen.
(この土地の名物料理をいただきたいのですが。)

Er wird bald Deutsch sprechen können.
(彼はすぐにドイツ語を話すことが出来るだろう。)

Dieses Buch dürfte für Sie von besonderem Interesse sein.
(この本はあなたにとって特に興味深いはずですよ。)

関連記事:【für】ドイツ語の前置詞を徹底攻略

POINT

・leiden:(können や mögen とともに)〜を好む、〜が好きである (大抵は、客観的立場の発言で用いられます)
・die Gegend:一帯、地域、地区

未来の助動詞 werden

werden を伴う場合、動詞は不定詞になります。

Im Herbst werden auch die Blätter fallen.
(秋には葉が落ちる。)

Sie wird gleich ein heißes Bad nehmen, da es ihr kalt ist.
(寒いので、彼女は熱いお風呂に入るところだ。)

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知覚動詞・使役の助動詞

sehenhören などの知覚動詞や、使役の助動詞 lassen を用いた使い方です。
目的語がその意味上の主語となります。

Von hier aus sieht man die Leute kommen und gehen.
(ここからは、行き交う人々が見える。)

Ich hörte in der Ferne einen Tiger brüllen.
(遠くで虎が吠えるのが聞こえた。)

Krebs lässt sich inzwischen in einigen Fällen heilen.
(現在では、場合によっては癌を治療できるようになりました。)

Er lässt oft seinen Regenschirm liegen.
(彼はよく傘を置き忘れる。)

関連記事:【lassen】ドイツ語の助動詞をマスターする

POINT

・brüllen:(野獣などが)吠える、咆哮する
・in der Ferne:遠くで(英語の in the distance)
・inzwischen は、辞書などでは「そうこうするうちに」、「その間に」と説明されていますが、「(色々なことを経て)今では(. . . な状況だ)」と訳すほうがしっくり来ることが多いです。
・der Krebs:癌
・in einigen Fällen:場合によっては
・heilen:治療する、治す

目的語

不定詞、または動詞を名詞化して、4格(Akk.)目的語として用いられます。

Er legte sich schlafen.
(彼は眠るために横になった。)

Mein Hobby ist Gitarre spielen.
(私の趣味はギターを弾くことです。)

Er hat den Hut auf dem Kopf sitzen.
(彼は頭に帽子をかぶっている。)

Ich habe ein Foto auf meinem Schreibtisch stehen.
(私は1枚の写真を机の上に立てて置いている。)

Ich fühle ihr Herz klopfen.
(私は彼女の心臓が鼓動するのを感じた。)

動詞を名詞化して「〜すること」の意味で用いる場合は、中性名詞になります。

Der Fahrer kann Ihnen beim Einsteigen helfen.
(運転手は、あなたが乗るときにお手伝いできます。)

Leben heißt loslassen.
(生きるということは、解き放つことである。)

Seit April lerne ich Kochen.
(私は4月からお料理を習っています。)

Ich lerne Autofahren.
(私は車の運転を学んでいる。)

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動詞の補完語

gehenbleibenhelfenheißen(命ずる) などと共に用いられます。

Du musst nur still sitzen bleiben.
(ただ静かに座っていなさい。)

Die Tochter half ihrer Mutter kochen.
(その娘は母親が炊事をするのをお手伝いした。)

Ich hieß ihn antworten.
(私は彼に答えるように命じた。)

Ich gehe zu Fuß einkaufen.
(私は歩いてお買い物に行く。)

Gehen wir morgen Abend essen?
(明日の夜、お食事に行かない?)

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POINT

・still:静かな、落ち着いた、静止した
・zu Fuß gehen:徒歩で行く

強調の tun

動詞の意味を強めるために、不定詞を文頭に置いて、tun を動詞として用いる使い方もあります。

Lesen tut er ohne Brille.
(彼は眼鏡なしで読む。)

Lieben tut er sie nicht, aber auch nicht hassen.
(彼は彼女を愛してもいないが、憎んでもいない。)

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不定句

不定詞に他の要素が加わった句のことを「不定句」といい、不定詞が末尾に置かれます。
受動や完了を表すこともあります。

ins Ausland reisen
(外国に旅行すること)

mit Freunden schwimmen
(友人と泳ぐこと)

im Bett schlafen
(ベッドで寝ること)

wahrgenommen werden
(知覚されること)

pünktlich angekommen sein
(時間通りに到着したこと)

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