【können/話法の助動詞】ドイツ語トレーニング

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ドイツ語で「〜できる」を意味する können は、ドイツ語の「話法の助動詞」のひとつで、主に可能性や能力などを表します。

話法の助動詞とは、定動詞の原形と結びついて、その叙述を助けたり、名詞や形容詞などに叙述の働きを与えたりする機能をもっており、mögenmüssensollenwollendürfenkönnen の6つを指します。

今回はこのうちの können の使い方を、豊富な例文とともにご紹介しますので、しっかりとマスターしていきましょう。

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目次

könnenの基本概念

können は、基本的には「〜できる」という能力や可能性を表し、転じて「〜し得る」という推量、そして「〜しても良い」という是認を表すときに使われます。

同じゲルマン祖語である英語では、can の機能に非常によく似ています。

können の基本の活用形

助動詞haben 支配
1人称kann
親称 dukannst
er / sie / eskann
2人称複数 ihrkönnt
親称 du 過去形konntest
過去形konnte
ihr 過去形konntet
過去形複数konnten
過去分詞gekonnt

恒常的な能力

「〜することができる」という、人や動物、物の能力を表します。

Er kann Deutsch sprechen.
(彼はドイツ語を話せます。)

Eulen können im Dunkeln sehen.
(フクロウは暗闇でも目が見える。)

Sie kann gut tanzen.
(彼女はダンスが上手です。)

Sein Auto kann schneller fahren als mein.
(彼の車は私の車よりも速く走れる。)

Auch im Alter kann man noch Fremdsprachen lernen.
(いくつになっても外国語は学べます。)

Das Kind kann schon sprechen, aber es kann noch nicht lesen.
(その子はもう話すことは出来るが、読むことはまだ出来ない。)

関連記事:【ドイツ語】「話す」に関する動詞をマスターする

POINT

・die Eule:フクロウ
・die Fremdsprache:外国語
・im Dunkeln:暗がりで、暗闇で

ある状況下での能力

特定の時点においての能力を表現します。

Sie konnte alle Aufgaben lösen.
(彼女は全ての問題を解くことが出来た。)

Da kann man nichts machen.
(それはどうしようもない。)

Ich konnte vor Freude nicht sitzenbleiben.
(私は嬉しくてじっと座っていることが出来なかった。)

Es war zu laut, ich konnte nicht schlafen.
(騒音がうるさくて眠れなかった。)

Sie konnte Jack nicht von ihren Plänen überzeugen.
(彼女はジャックに計画を納得させることが出来なかった。)

Er kann nicht mit dem Rauchen aufhören.
(彼はタバコをやめられない。)

関連記事:【aufhören】ドイツ語の分離動詞を攻略する

POINT

・laut:❶音の大きい、騒がしい ❷(3格または2格で) 〜によると
・jdn. von etw.Dat. überzeugen:人に〜を納得させる
・aufhören:(習慣・活動などを) やめる、終わらせる

推量

「〜かもしれない」という推測を表しますが、müssendürfen などに比べると確信の度合いは低めです。

Das kann sein.
(そうかもしれませんね。)

Sie kann krank sein.
(彼女は病気かもしれない。)

Der Vulkan kann jeden Moment ausbrechen.
(その火山は今にも噴火しそうだ。)

Wie konnte nur das geschehen?
(どうしてこんなことになってしまったのだろう。)

Du könntest recht haben.
(もしかしたら君は正しいかもしれない。)

Du könntest recht/Recht haben.
(もしかしたら君は正しいかもしれない。)

Es kann sein, dass er schon morgen kommt.
(彼は明日にも来るかもしれない。)

関連記事:【schon の使い方】ドイツ語トレーニング

POINT

・ausbrechen:(火山が) 噴火する、(溶岩などが) 噴出する
・geschehen:起こる、生じる

可能性・許可

dürfen よりも少しくだけた感じで、是認することを表現します。

 Du kannst mir doch keine Befehle geben!
(あなたは私に命令することは出来ない。)

Kann ich hier meinen Computer benutzen?
(ここでコンピュータを使えますか。)

Sie können hier telefonieren.
(ここで電話をかけてもいいですよ。)

So etwas kannst du doch nicht machen.
(そんなことをしてはいけない。)

Kannst du mir einen Stift leihen? − In deiner Tasche steckt doch ein Kugelschreiber.
(ペンを貸してくれる? − 君のバッグにボールペンが差してあったと思うよ。)

Den Wert einer guten Erziehung kann man nicht in Geld messen.
(優れた教育の価値を金銭で測ることは出来ない。)

In diesem Kontext kann man nur das eine der beiden Wörter gebrauchen.
(この文脈では、2つのうち1つの単語しか使うことは出来ない。)

関連記事:【所有冠詞と格変化】ドイツ語トレーニング

POINT

・der Befehl:命令、指令
・benutzen:使う、用いる、利用する
・das Wort:語、単語 (この意味の場合の複数形は Wörter で、「言葉・成句」の意味の場合の複数形は Worte です)

丁寧な依頼

英語の Can you . . . ? や Could you . . . ? と同様に、丁寧な依頼を表します。
接続法2式 を使うとより丁寧になります。

Kannst du dich bitte auf den Rücken drehen?
(仰向けになってもらえますか。)

Kannst du mir ein bisschen helfen?
(ちょっと手伝ってくれるかな。)

Können Sie bitte diesen Fleck entfernen?
(この染みを取っていただけますか。)

Können Sie zwei Karten für mich besorgen?
(チケットを2枚とっていただけますか。)

Könnten Sie mich bitte um 7 Uhr telefonisch wecken?
(7時に起こしていただけますか。→ ホテルで)

関連記事:【接続法2式を徹底攻略】ドイツ語トレーニング

POINT

・auf den Rücken:仰向けに
・sich drehen:回転する、向きを変える
・besorgen:手に入れる、調達する
・telefonisch:電話で (ちなみにモーニングコールは和製英語で、正しくは wake-up call と言います。)

独立した動詞として

明らかにそれと分かる定動詞を省略し、können のみで「できる」を表現することもよくあります。

Sie kann alles.
(彼女は何でも出来る。)

Er kann Deutsch, aber kein Japanisch.
(彼はドイツ語が出来るが、日本語は出来ない。)

Ich kann nicht anders als ablehnen.
(私は断る以外に仕方がない。)

Der Schüler kann das Gedicht auswendig.
(その生徒はその詩を暗唱することが出来ます。)

Er rannte, was er konnte.
(彼は全力で走った。)

Meine Beine können nicht mehr.
(もう足が動かない。)

Bei diesem Wetter kann wahrscheinlich niemand ins Freie.
(この天気では誰も外へ出られないだろう。)

関連記事:【bei】ドイツ語の前置詞を徹底攻略

POINT

・auswendig:暗記して、そらで
・wahrscheinlich:多分、おそらく
・das Freie:frei が名詞化したもので、「戸外」の意味です。


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