
ドイツ語を学び始めたばかりの頃は、おそらく Meer と See で迷ってしまう方もいらっしゃることでしょう。
英語の sea に似ているから、「See が海かな?」とイメージされることもあるかもしれません。
今回は、Meer と See の違いと見分け方、そして使い方を例文とともにご説明していきます。
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目次
Meer と See の違い

同じ「海」を表す das Meer と die See を、ドイツ人はどのように使い分けているのでしょうか?
die See が使われる代表的な海は、die Nordsee(北海)や die Ostsee (バルト海)などですが、英語の Ocean (海洋・外洋)はドイツ語では der Ozean と言います。
また、die See はいわば陸の対義語としての「海」であり、das Meer よりも大きいイメージです。
日本語でいうところの「大海原」や「大海」のような、やや詩的な響きを持っているようですので、映画や小説などで用いられることがあります。
固有名詞の例
代表的な海洋は、英語の Ocean、Pacific などと同様の名前です。
- Pazifischer / Stiller Ozean:太平洋
- Südsee / Südpazifik:南太平洋
- Nord Atlantischer Ozean:北大西洋
- der Südatlantik:南大西洋
- Indischer Ozean:インド洋
など。
ざっくりとしたイメージではありますが、海洋よりも小さく、周りが陸や島で囲まれている海には Meer が名付けられていることが多いです。
- Kaspisches Meer:カスピ海
- Schwarzes Meer:黒海
- Arabisches Meer:アラビア海
- Rotes Meer:紅海
- Karibisches Meer:カリブ海
- Südchinesisches Meer:南シナ海
など。
基本的に「海」は Meer を使う
例えば「海が見える」や「海に泳ぎに行く」など、単に「海」と言いたいときは das Meer が使われることが圧倒的に多いので、会話の中で See が出てきたら基本的には「湖」だと思って大丈夫です。
地域や出身などによっては、海を das Meer ではなく die See と言う人もいますが、固有名詞ではない「海」を言いたいときは、Meer を使うようにしましょう。
冠詞で見分ける
書かれている文章において、See が「海」と「湖」のどちらなのかは、冠詞で見分けます。ドイツ語の名詞に性別があるおかげで、内容がより分かりやすくなるのです。
das Meer
Ich fahre zum Mittelmeer.
(私は地中海へ行く。)
Ich möchte ein Zimmer mit Meer.
(海の見えるお部屋がいいです。→ ホテルで)
Trotzdem es regnete, ist er im Meer schwimmen gegangen.
(雨にもかかわらず彼は海へ泳ぎに行った。)
中性名詞なので、3格(Dat.)は zum(= zu dem)、im(= in dem)となります。
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der See
I schwimme im See.
(私は湖で泳いでいる。)
3格(Dat.)が im(= in dem)になっているので男性名詞、すなわち「湖」であることが分かります。
die See
Ich schwimme in der See.
(私は海で泳いでいる。)
3格(Dat.)が in der になっているので女性名詞、すなわち「海」であることが分かります。
繰り返しますが、基本的には Meer は海、See は湖と判断して構いません。余力のある方は、See を冠詞で瞬時に見分けられるようにしておきましょう。