【von・mit・ durch/受動態の応用 編】ドイツ語トレーニング

ドイツ語の受動態「基本編」に続き、今回は前置詞の vonmitdurch そして副文などを用いた受動態の表現を学んでいきましょう。

ご興味のある方は、当サイトで ドイツ語クイズ を出題しておりますので是非ご覧ください。

目次

受動態とは

基本編 でもご説明していますが、「受動態」とは、「(人・物などが、〜によって) 〜される」という受け身を意味する動詞の態のひとつで、主語が他のものから何かしらの作用を受けることを表す文法用語です。
皆さんもご存知の、英語の「be + 過去分詞」にあたります。

・能動態:Ich schließe die Tür.(私はドアを閉める。)
・受動態:Die Tür ist geschlossen.(ドアは閉められる。)

受動態のつくり方

ドイツ語の受動態には、「動作受動」と「状態受動」の2種類があります。

・動作受動:動作の途中に焦点が当たっている
・状態受動:動作が行われた状態に焦点が当てられている

平叙文

動作受動は助動詞の「werden + 過去分詞」、状態受動は「sein + 過去分詞」を用いてつくります。

平叙文では、助動詞は2番目、そして過去分詞は文末に置かれます。

主語助動詞目的語や副詞など過去分詞
Die Prinzessinwurdetief im Waldeingesperrt.
Das Zimmeristschonaufgeräumt.
Der Hundistam Eingangangebunden.

・王女は森の奥深くに閉じ込められた。
・お部屋はすでに片付けられている。
・その犬は入り口に繋がれている。

werden と sein の人称変化についてはこちらでご説明しています。

関連記事:【werden と sein/受動態の基本 編】ドイツ語トレーニング

話法の助動詞

受動態が話法の助動詞とともに用いられる場合は、平叙文では話法の助動詞が第2位になり、文末は「過去分詞 + werden」のかたちになります。

話法の助動詞による受動態は、そのまま日本語に訳すと不自然になる場合がありますので、状況によって工夫すると良いでしょう。

主語話法の助動詞目的語や副詞など過去分詞助動詞
Eskonnteneinige Matrosengerettetwerden.
Die Treppemussunbedingtgeputztwerden.

・彼らは一部の船員をなんとか救った。
・階段を綺麗に磨かなければならない。

受動態の時制

完了時制の場合は、受動の助動詞 werden の過去分詞が geworden ではなく worden であることに注意してください。

助動詞定動詞
現在形werde過去分詞
過去形wurde過去分詞
未来形werde過去分詞 + werden
現在完了ist過去分詞 + worden
過去完了war過去分詞 + worden
未来完了werde過去分詞 + worden sein

動作の主語

動作の実質的な主語は、vonmitdurch を使って表現することが出来ます。

・von:誰が (3格/Dat.)
・mit:道具によって (3格/Dat.)
・durch:原因・手段 (4格/Akk.)

von

von は、3格(Dat.) を伴って「人や動物によって」という情報を添えることが出来ます。

能動文:Der Arzt untersucht den Patienten.(医師は患者を診察する)
→ 受動文:Der Patient wird vom Arzt versucht.(患者は医師の診察を受ける)

Der Kranke wird daheim von seiner Familie gepflegt.
(その患者は自宅で家族に看病してもらっている。→ 現在形)

Ich bin von einer Biene gestochen worden.
(私は蜂に刺された。→ 現在完了形)

Er ist von einem Hund gebissen worden.
(彼は犬に噛まれた。→ 現在完了形)

Wir sind von dem Mann betrogen worden.
(私たちはその男性に騙されました。→ 現在完了形)

Der Schüler wird vom Lehrer gelobt werden.
(その生徒は先生に褒められるでしょう。→ 未来形)

Die Halle wurde von einem Architekten entworfen.
(そのホールはある建築家によって設計された。→ 過去形)

Ich war von meinem Vater verwöhnt worden.
(私は父に甘やかされていました。→ 過去完了形)

関連記事:【男性弱変化名詞】ドイツ語トレーニング

POINT

・stechen:(虫・動植物が、毒針・とげなどで人・体の部分)を刺す
・jdn. beißen:人に噛み付く、噛む
・daheim:自宅で、在宅して、故郷で
・pflegen:世話をする、大切に扱う
・jdn. verwöhnen:人を甘やかす、過保護に扱う

mit

mit は英語の with によく似た機能を持っており、3格(Dat.) を伴って道具手段などを付加することができます。

Reis wird in Japan gewöhnlich mit Stäbchen gegessen.
(日本では、ご飯をお箸で食べるのが一般的です。→ 現在形)

Der Markt ist mit ausländischen Waren überschwemmt worden.
(市場は外国の製品で溢れている。→ 現在完了形)

Die Leiche war mit einem Messer zerstückelt worden.
(遺体はナイフで切り刻まれていた。過去完了)

POINT

・jdn./etw. mit etw3(Dat.) überschwemmen:(人・物)を〜で溢れさせる
・die Leiche:死体、遺体
・zerstückeln:細かく刻む

durch

durch 、4格(Akk.) を伴って原因手段などを付加することができます。
動作の主語に主体性がない場合に使われ、「手段」を表すときは mit との交換が可能です。

Die Fragen werden durch Beamten beantwortet.
(質問は当局を通して回答されます。→ 現在形)

Durch einen Druck auf den Knopf wird die Heizung eingeschaltet.
(そのボタンを押せば暖房のスイッチが入る。→ 現在形)

Die Stadt ist durch Bomben völlig zerstört worden.
(街は爆弾によって完全に破壊されました。→ 現在完了形)

Durch einen Erdrutsch ist der Verkehr unterbrochen worden.
(崖崩れで交通は遮断された。→ 現在完了形)

Das Schiff wurde durch einen Torpedo versenkt.
(船は一発の魚雷によって撃沈された。→ 過去形)

POINT

・zerstören:破壊する、壊す、滅ぼす
・der Erdrutsch:地滑り、土砂崩れ
・unterbrechen:阻害する、邪魔する、中断する、中止する、遮る (英語の interrupt, disturb)
・etw. versenken:沈没させる、見えないところに収納する、埋める

副文

副文とは、関係詞従属接続詞 によって導かれる文のことで、主文に情報を付加する役割を果たします。

副文においては定動詞が文末に置かれ関係詞従属接続詞 とで「枠構造」を形成し、主文を構成する要素のひとつとなります。

主文 + 副文(関係詞/従属接続詞 + 主語や目的語など + 定動詞)

Der Regisseur, der den Film machte, ist sehr gelobt worden.
(その映画をつくった監督は高い評価を受けた。)

Die Fotos sind von einem Profi gemacht worden, so dass sie gut sein werden.
(プロが撮るから、いい写真になるんです。)

Er ärgert sich, weil ihm nicht geantwortet wurde.
(彼はお返事をもらえなかったのでイライラしている。)

Wenn Ihr Zahn nicht bald behandelt wird, muss er gezogen werden.
(すぐに治療をしないと、抜歯をする羽目になりますよ。)

POINT

・der Regisseur:監督、演出者
・so dass:〜するために(目的)、〜なので(結果)
・sich ärgern:腹を立てる、イライラする
・behandeln:治療する、扱う
・ziehen:引く、引っ張る、引き抜く、取り出す

受動的表現

文法的な受動態のほかにも、受動の意味をもつ表現がいくつかあります。

zu 不定詞

seinzu 不定詞 を組み合わせると、「〜される」「〜されうる」などの受動的な意味になります。

Er war stolz, vom Volk ausgewählt worden zu sein.
(彼は人々に選ばれたことを誇りに思いました。)

Von diesem Arzneimittel sind dreimal täglich zwei Tabletten einzunehmen.
(このお薬は1日に3回、2錠ずつ飲まなければならない。)

関連記事:【einnehmen】ドイツ語の分離動詞を攻略する

POINT

・auswählen:選ぶ、選出する
・täglich:täglich:毎日(の)、日々(の)
・einnehmen:(食事や薬などを)とる
・das Arzneimittel:薬剤、薬物

lassen

lassen に 再帰代名詞不定詞 を伴って、「〜されうる」という意味になります。

Er lässt sich leicht überreden.
(彼はすぐに人の言いなりになる。)

Dieser schwere Kühlschrank lässt sich kaum alleine bewegen.
(この重い冷蔵庫を一人で動かすのは無理です。)

関連記事:【lassen】ドイツ語の助動詞をマスターする

POINT

・jdn. überreden:人を説得する
・bewegen:動かす、移動する、(人を)感動させる (英語の move)

再帰動詞

一部の 再帰動詞 は、「〜される」という受動態のような意味を持ちます。
ドイツ語に限らず、外国語の受け身の文章を日本語に訳すと不自然になる場合がありますので、無理して訳す必要はありません。

Das Wetter verschlechterte sich.
(天気が悪くなった。)

Das Wort spricht sich einfach aus.
(この単語は発音が簡単だ。)

Das hört sich wie ein guter Plan an.
(それはいいプランのようだ。→ 良いものに聞こえる)

関連記事:【再帰代名詞 sich】ドイツ語トレーニング

POINT

・sich verschlechtern:(問題・状況などが)悪化する、深刻になる
・aussprechen:発音する、終わりまで話す
・sich anhören:〜に聞こえる (英語のsound)

bekommen

bekommen と 過去分詞を組み合わせると、「〜してもらう」という意味になります。

これは、人を表す3格(与格・奪格) を目的語にもつ動詞、例えば geben(あげる)、borgen(貸す)、schenken(贈る)、schicken(送る)、mitteilen(知らせる)など、「人に物を〜する」を表すタイプのものでつくることが出来ます。

ドイツ語では、3格の人を主語にした受動文をつくることは出来ないため、このような表現が存在しているわけです。

Er hat das Fahrrad geborgt bekommen.
(彼はその自転車を貸してもらった。)

Ich habe von Emily den Schal geschenkt bekommen.
(エミリーからそのスカーフをプレゼントしてもらった。)

Bewegen Sie sich nicht bis Sie weitere Anleitungen mitgeteilt bekommen.
(さらに指示があるまで移動しないでください。)

POINT

・die Anleitung:手引き、説明書き、取扱説明書、ガイダンス

Scroll to top