【ドイツ語のしくみ③】時制と受動態

ドイツ語の基本的な 文構造② 否定・命令・疑問文 に続き、今回はドイツ語の時制と受動態について、例文とともに学習していきましょう。

ご興味のある方は、当サイトで ドイツ語クイズ を出題しておりますので是非ご覧ください。

目次

ドイツ語の時制

ドイツ語の時制には、「現在」「過去」「未来」「現在完了」「過去完了」「未来完了」の6種類ありますが、特に日常会話においては「現在」「現在完了」がカバーすることが非常に多く、それ以外の時制はあまり用いられないのが現状です。

現在形

「現在形」は、文字通り「現在起こっていること」のほか、反復的な行為や動作、過去からの継続、普遍的な真理などにも用いられます。

Der Film läuft in Berlin.
(その映画はベルリンで上映されている。)

Ich bin stolz auf meinen Sohn.
(私は息子を誇りに思っています。)

Die Luft ist sehr rein in den Bergen.
(山の空気はとても澄んでいる。)

Marias Visum läuft Ende des Monats ab.
(マリアのビザは月末に切れる。→ 分離動詞

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POINT

・auf jdn./etw. stolz sein:〜を誇りに思う
・rein:純粋な、不純物のない
・ablaufen:期限が切れる、失効する

過去形

「過去形」は、現在との関係を断ち切って、過去の出来事を頭に浮かべながら描写するときに使います。

könnenmüssen などの話法の助動詞 で好まれるほか、小説や回想録、新聞、報道、知っているはずのことを失念しているという場合などに用いられます。

過去形の人称変化

ドイツ語では、過去形の基本形さえきちんと覚えていれば、弱変化・強変化・混合変化の如何に関係なく、以下の表に従って人称変化させることが出来ます。

ここでは sagen を例にしています。

人称過去形語尾
ichsagte
dusagtest過去形 + –st
er / es / siesagte
wirsagten過去形 + -(e)n
ihrsagtet過去形 + –t
siesagten過去形 + -(e)n

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過去形のパターン

ドイツ語では、動詞の過去形への変化にはいくつかのパターンがありますので、動詞を覚えるときは「過去形」と「人称変化」を同時に覚えるようにすることが大切です。

原形過去形
essen
kommenkam
bringenbrachte
gehenging
ligenlag
helfenhalf
greifengriff
schreibenschrieb

Sie kam pünktlich zur verabredeten Zeit.
(彼女は約束の時間通りに来た。)

Als der Postbote das Paket brachte, öffnete sie es sofort.
(郵便配達員が小包を届けた途端、彼女はそれを開けた。)

Emily schrieb, was der Chef ihr diktierte.
(エミリーは上司が口述したことを書きとめた。

Er sprach über die Außenpolitik der Regierung.
(彼は政府の外交政策について話した。)

Er holte eine Flasche Wein aus dem Keller.
(彼は地下室からワインボトルを持ってきた。)

Sie brachte das Gespräch auf ein anderes Thema.
(彼女は話題を変えた。)

Sie war so heiser, dass sie überhaupt nicht mehr sprechen konnte.
(彼女は声がかすれていて、全く話すことが出来なかった。)

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POINT

・pünktlich:時間に正確な
・verabredet:約束された、準備された
・sofort:即座に、すぐに
・als:〜したとき(従属接続詞のため、定動詞は文末になります)
・die Außenpolitik:対外政策、外交問題・die Regierung:政府、内閣
・das Gespräch auf etw. bringen:話を〜のほうへ持っていく
・holen:(物を) 取ってくる、(人を) 呼んでくる
・heiser:(声が) しわがれた、かすれた
・überhaupt:①全く、すっかり、完全に、概して ②(疑問・非難を強めて) 一体全体、そもそも

未来形

ドイツ語で未来形が用いられる場合は、話し手の意見や推測などが含まれ、werden不定詞を組み合わせてつくります。

しかしながら、ドイツ語は英語と同様に、現在形で確定的な未来を表すことができ、morgen「明日」や nächste Woche「来週」など、未来であることが分かる副詞を伴うことも多くあります。

werden の役割

werden状態や人・物の発展的変化を表す
werden + 定動詞の原形未来時称、推量
werden + 過去分詞受動文をつくる

werden の未来形の人称変化

助動詞sein 支配
1人称werde
親称 duwirst
er / sie / eswird
2人称複数 ihrwerdet

Im Winter wird es früh dunkel.
(冬は早く暗くなる。)

Man wird nächstes jähr das Hotel wieder aufbauen.
(そのホテルは来年再建される予定だ。)

Der Zug wird planmäßig in Frankfurt ankommen.
(電車は定刻通りフランクフルトに到着するはずだ。)

Ich werde die Heizung im Oktober wieder anstellen.
(10月にはまた暖房のスイッチを入れる。)

Auch wenn Sie mich aufhalten, werde ich meine Meinung nicht ändern.
(たとえあなたが私を止めても、私は考えを変えるつもりはありません。)

Nächste Woche mache ich eine Prüfung in Mathematik.
(来週私は数学の試験がある。→ 現在形)

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POINT

・planmäßig:計画通りの、予定通りの、(交通機関が) 時刻通りの
・anstellen:雇用する、(物を) 立てかける、(機械などを) 作動させる、(機能動詞として、動名詞とともに) 〜する、〜を行う
・jdn./etw. aufhalten:止める、邪魔する
・ändern:(人・物・事を) 変える、作り替える、修正する

完了形

ドイツ語の完了形は、英語と同様に現在完了、過去完了、未来完了があり、sein または haben過去分詞を組み合わせてつくります。

ドイツ語の動詞には、「sein 支配」と「haben 支配」とがあり、ドイツ語の辞書を引くと、動詞には必ずどちらなのかが分かるようになっています。

ほとんどの動詞は haben 支配ですので、sein 支配を先に覚えるようにすると効率が良いでしょう。

・sein 支配:自動詞のうち、「場所の移動」または「状態の変化」を表す動詞

・haben 支配:自動詞で sein 支配以外のもの、他動詞(4格目的語ととるもの)、再帰動詞、状態を表す動詞

現在完了形

現在完了は過去の出来事と現在を同一の次元で語るときに用いられる時制で、ドイツ語の日常会話では圧倒的に現在完了が使われます。

  • ある過去の事柄を現在と関連付けながら述べる
  • 未来の時点で完了したこととして表す
seinhaben
1人称binhabe
親称 dubisthast
er / sie / esisthat
2人称複数 ihrseidhabt
過去形複数sindhaben

Sie ist krank geworden.
(彼女は体調が悪くなった。)

Er hat die Wahrheit gesagt.
(彼は本当のことを言った。)

Ich habe schon das Buch gelesen.
(私はその本をもう既に読んだ。)

Wir sind gestern ins Kino gegangen.
(私たちは昨日映画を観に行った。)

Ich habe sie beim Einkaufen getroffen.
(お買い物中に偶然彼女に会った。)

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POINT

・die Wahrheit:真実、本当のこと
・jdn. treffen:人と会う (sich mit jdm. treffen で「人と(約束して) 会う」という意味になります)

過去完了形

「過去完了」とは、ある事柄が他の過去の出来事よりもさらに前に発生したことを表す時制で、過去の事柄を表す文とともに用いられます。

過去完了は、war や hatte などの「助動詞の過去形」と「動詞の過去分詞形」を組み合わせてつくります。

seinhaben
1人称warhatte
親称 duhasthattest
er / sie / eswarhatte
2人称複数 ihrwarthattet
過去形複数warenhatten

Nachdem er gegangen war, ging ich in den Park.
(彼が立ち去ったあとで、私は公園に行った。)

Zur grauen Hose hatte er ein kariertes Jackett gewählt.
(グレーのズボンに合わせるために、彼は格子模様のジャケットを選んだ。)

Er fragte sich, warum seine Frau ihn verlassen hatte.
(彼は、なぜ妻が自分を捨てたのか自問した。)

Diesen Weg hatten wir noch nicht genommen, oder?
(ここ、通ったことない道だよね?)

Ich hatte noch keine zehn Minuten gewartet, als sie kam.
(10分も待たないうちに彼女がやって来た。)

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POINT

・wählen:選ぶ、選出する、選択する
・verlassen:(部屋、場所などから) 出る、立ち去る、離れる
・als:〜したとき (従属接続詞のため、定動詞は文末になります)

未来完了形

未来完了とは、未来のある時点で行為・動作が完了していることを示す場合や、過去に関する推量を表す場合に用いられます。

日常会話にほとんど登場することはなく、たいていは現在完了で代用されます。

未来完了は、werden と「動詞の過去分詞形」、sein または haben を組み合わせてつくります。

Bis zum nächsten Sonntag werde ich mich durch den Roman gelesen haben.
(来週の日曜日までにはその小説を読み終わっているだろう。)

Er wird Kuchen gegessen haben.
(彼はケーキを食べてしまっただろう。)

Der Film wird schon begonnen haben.
(もう映画は始まってしまっているだろう。)

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POINT

・beginnen:【自動詞】始まる /【他動詞】始める

受動態

受動態とは文字通り、主語が他のものから何らかの動作や作用を受けることを表す動詞の文法形式で、ドイツ語の受動態には「動作受動」と「状態受動」があります。

・動作受動(werden + 過去分詞):動作の途中に焦点が当てられている
・状態受動(sein + 過去分詞):動作が行われた状態に焦点が当てられている

werden は、原則として「4格をとる動詞」の過去分詞と結びついて受動態を表します。

特に完了時制の場合は、werden の過去分詞が geworden ではなく worden になることに注意してください。
これは直前に本動詞の過去分詞が来ることにより、これとアクセントの位置が同じ geworden が続くのを避けるためです。

助動詞定動詞
現在形werde過去分詞
過去形wurde過去分詞
未来形werde過去分詞 + werden
現在完了ist過去分詞 + worden
過去完了war過去分詞 + worden
未来完了werde過去分詞 + worden + sein

Das Fenster ist geschlossen.
(窓は閉まっている。)

Sie ist von ihm geliebt worden.
(彼女は彼に愛されていた。)

Ich wurde von meinem Lehrer ausgeschimpft/gelobt.
(先生に叱られた / 褒められた。)

Das Geschäft ist von 9 bis 20 Uhr geöffnet.
(そのお店は9時から8時まで開いている。)

Morgen wird der Strom von 14 bis 16 Uhr abgestellt.
(明日、2時から4時まで停電する。)

Das Haus wurde einem Ausländer sehr teuer verkauft.
(その家は、ある外国人に高額で売却された。)

Er war enttäuscht, nicht eingeladen worden zu sein.
(彼は招待されなかったのでがっかりした。)

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POINT

・ausschimpfen:叱る、罵る
・das Geschäft:①商売、事業、仕事 ②商店、営業所
・enttäuschen:失望させる、がっかりさせる

今回は、ドイツ語の時制と受動態についてご説明しました。続いては、ドイツ語の接続詞と関係代名詞について学習していきましょう。


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