【ドイツ語のしくみ⑤】接続詞と関係代名詞

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ドイツ語の 時制と受動態 に続き、今回はドイツ語の接続詞と関係詞について、例文とともに学習していきましょう。

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目次

接続詞

文構造① 枠構造と人称変化 で、ドイツ語の基本的な文章の作り方をご紹介しましたが、今回は文と文、語句と語句をつなぐ接続詞について学習していきましょう。

ドイツ語の接続詞には、並列接続詞従属接続詞 があります。このいずれを使うかで、定動詞の語順に影響が出ますので注意が必要です。

主文 と 副文

文と文をつなげるとき、そこには「意味展開」や「因果関係」が生じますが、例えば時間、条件や仮定、理由や原因など様々なものがあります。

そしてドイツ語の文には、「独立して成り立つ文」と「他の文に従属して主文の情報を補う文」の2種類があり、それぞれを「主文」「副文」といいます。

主文と主文をつなぐ接続詞を並列接続詞、主文と副文をつなぐ接続詞を従属接続詞といいます。

主文と主文のつなぎ方

A)主文と主文Er hat gelogen. Er hatte ein schlechtes Gewissen.
彼は嘘をついた。彼は罪悪感を感じた。
B)主文と主文Iss viel Obst, und du bleibst gesund.
果物をたくさん食べなさい。そうすれば健康を保てますよ。

主文と副文のつなぎ方

主文では、「定動詞は2番目に置かれる」という平叙文の語順が適用されますが、副文においては定動詞が文末に置かれ、従属接続詞とで「枠構造」を形成し、副文そのものが主文を構成する文成分のひとつとなります。

C)主文と副文Er hatte ein schlechtes Gewissen, weil er gelogen hatte.
彼は嘘をついたことに罪悪感を覚えた。
D)主文と副文Mir wird schwindelig, wenn ich aufstehe.
起きるとめまいがします。(副文では、分離動詞は人称変化のみ)
E)副文と主文Da er oft übertreibt, glaube ich ihm nur noch die Hälfte.
彼はよく誇張するので、私はいつも半信半疑で聞いている。

例 E では、「〜なので」という理由を表す従属接続詞 da によって導かれた副文が文頭に来ていますが、副文は主文を構成する文成分のひとつであるため、あとに続く主文の定動詞「glauben(ここでは人称変化して glaube)」は副文の直後となります。

これはドイツ語において、「平叙文の定動詞は2番目に置かれる」という原則に基づいているからです。

並列接続詞

並列接続詞は等位接続詞とも呼ばれ、文や語句を対等に結びつけるため、定動詞の位置は変わりません

undそして
aberしかし、でも
oderまたは
dennというのは 〜だから

Das Geschäft öffnet von montags bis freitags um 10 Uhr und schließt um 20:30.
(このお店は、平日朝10時から夜8時まで営業している。)

Es regnete zwar, aber der Spaziergang war dennoch schön.
(雨が降っていましたが、散策は素晴らしかったです。)

Machen Sie Bratensoße selbst oder kaufen Sie es fertig?
(ステーキソースを自分でつくりますか、それとも既製のものを買いますか。)

Es muss draußen kalt sein, denn es fängt an zu schneien.
(外はきっと寒いわ。雪が降り始めているもの。)

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POINT

・das Geschäft:❶商売、事業、仕事 ❷商店、営業所
・schließen:閉める、閉じる、終える
・zwar:あとに続く aber や doch と呼応して「確かに. . . だが、しかし」
・dennoch:それにもかかわらず、それでも (英語の nevertheless)
・fertig (形容詞):用意された、準備された、終わっている
・anfangen:【自動詞】始まる /【他動詞】〜を開始する、始める

従属接続詞

従属接続詞は副文を導いて、主文の情報を補う役割をもちます。副文では定動詞が文末に置かれますので注意してください。

以下は、従属接続詞の代表的なものです。

dass〜ということ
ob〜かどうか
wenn〜するとき
indem〜することで
obwohl〜にもかかわらず
weil〜なので
seitdem〜して以来
da〜だから
bevor〜の前に
nachdem〜のあとで
wie~のように

Ich habe gehört, dass du deine Prüfungen bestanden hast.
(気味が試験に合格したって聞いたよ。)

Es ist mir völlig gleichgültig, ob er katholisch oder evangelisch ist.
(彼がカトリックはプロテスタントかは全く気になりません。)

Du kannst, wenn du willst, nach Hause gehen.
(帰りたければ帰っていいよ。)

Wenn ich Eier esse, wird mir übel.
(卵を食べると気分が悪くなります。)

Indem du mehr lernst, bekommst du bessere Noten.
(もっと勉強すればいい点がとれるよ。)

Obwohl er müde war, arbeitete er weiter.
(彼は疲れていたが仕事を続けた。)

Ich musste noch einmal umkehren, weil ich meine Schlüssel vergessen hatte.
(鍵を忘れたのでもう一度引き返さなければならなかった。)

Seitdem ich verheiratet bin, wohne ich in Hamburg.
(結婚して以来、私はハンブルクに住んでいます。)

Das Haus erlitt keinen großen Schaden, da das Feuer schnell gelöscht wurde.
(火がすぐに消し止められたので、その家は大きな被害を受けずに済んだ。)

Iss deine Suppe, bevor sie kalt wird.
(冷めないうちにスープを召し上がれ。)

Tatsächlich ist es genauso, wie Sie es sagen.
(実は、全くあなたのおっしゃる通りです。)

Ich werde zu dir kommen, nachdem ich gegessen habe.
(食事を済ませてから君のところへ行くよ。)

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POINT

・bestehen:❶存在する、ある ❷試験に合格する ❸(aus etw3/Dat.) 〜から成っている ❹(auf etw3/Dat.) 〜に固執する、主張する
・gleichgültig:無関心な、(jdm.) 人にとって重要でない
・übel:不快な、悪い、(いたずらなどが) ひどい
・vergessen:忘れる、失念する
・umkehren:引き返す、逆戻りする、方向転換する
・sich anstrengen:(肉体的・精神的に) 努力する、骨を折る
・schaffen:❶(規則変化) やり遂げる、達成する、仕事をする、処理する ❷(不規則変化) 創造する、つくる
・etw. erleiden:(被害・損失などを) 受ける、被る
・der Schaden:損害、被害
・löschen:火を消す

接続詞的副詞

接続詞のような働きをする副詞で、代表的なものは以下の通りです。

dannその場合には
trotzdem〜にもかかわらず
deshalbしたがって
nämlichというのは〜だから
folglichそれゆえに
sonstさもないと

Schlaf dich gut aus, dann fühlst du dich besser.
(よく寝なさい。そうすれば気分も良くなるから。)

Es regnete in Strömen, trotzdem ging er aus.
(どしゃ降りだったのに彼は出かけて行った。)

Die Straßen sind vereist, man muss deshalb langsam fahren.
(道路が凍結しているので、ゆっくり走らなければならない。)

Ich bin zu spät gekommen, ich hatte mich nämlich in der Zeit geirrt.
(私は遅刻をしてしまった。というのは時間を間違えていたからだ。)

Ich war nicht da, folglich weiß ich nichts davon.
(私はそこにいませんでした。だから私はそれについては何も知りません。)

Du darfst ihn nicht kränken, sonst wird er uns nicht mehr helfen.
(彼を怒らせてはいけない。さもないと私たちの力になってくれないだろう。)

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POINT

・ausschlafen:(疲れがとれるまで) 十分に眠る
・in Strömen regnen:雨が激しく降る
・vereist:vereisen「凍りつく」の過去分詞の形容詞用法です。
・irren:間違いを犯す、思い違いをする

関係詞

英語やドイツ語、フランス語などには、関係詞と呼ばれる「1つの文を他の文の語句に関係させる語」があり、「関係代名詞」と「関係副詞」とに分かれます。

英語と同様に、ドイツ語の関係詞にも制限用法継続用法がありますが、ドイツ語は主文との間にコンマを置くため、どちらの用法かは文脈によって判断します。

関係代名詞

関係代名詞とは、接続詞と代名詞の機能を合わせもつ代名詞のことで、関係節の先頭に立って先行文の情報を補う働きをもっており、人称・性・数は先行詞と一致させ、格は関係節の中の働きにより決まります。

従属接続詞 と同様に、関係詞によって導かれる文は副文となり、定動詞は文末に置かれます。

<ドイツ語の関係代名詞のルール>

・コンマで区切る
・副文の定動詞は文末に置かれる
・関係代名詞の性と数は先行詞と一致する

ドイツ語の関係代名詞には、先行詞をもつ「定関係代名詞」と、先行詞をもたない「不定関係代名詞」とがあります。

不定関係代名詞was〜する物・こと
wer〜する人
定関係代名詞der〜するもの・人(男性名詞)
die〜するもの・人(女性名詞)
das〜するもの・人(中性名詞)
die〜するもの・人(複数名詞)

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不定関係代名詞

1格2格3格4格
was(物・事柄)wessenwas
wer(人)wessenwemwen

Was du da sagst, ist nachvollziehbar.
(君の言うことは体験として理解出来る。)

Hast du alles, was du brauchst?
(必要なものは全て持っているかい?)

Was du heute tun kannst, das verschiebe nicht auf morgen.
(今日出来ることを明日に延ばすな。)

Ich glaube nichts, was ich nicht sehen oder anfassen kann.
(見たり触れたり出来るものでなければ信じない。)

Das Beste, was wir haben können, ist die Freiheit.
(私たちが持てる最高のものは「自由」である。)

Wer viel raucht, gefährdet seine Gesundheit.
(タバコをたくさん吸う人は、健康を危険に晒している。)

Wissen Sie, wer für diese Abteilung zuständig ist?
(この部署の責任者は分かりますか?)

Ich habe keine Ahnung, mit wem Paul verheiratet ist.
(ポールが誰と結婚しているのか分からない。→ 3格)

Wen ich einmal gesehen habe, behalte ich im Gedächtnis.
(私は一度会った人は覚えている。→ 4格)

関連記事:【wer と was/不定関係代名詞】ドイツ語の関係代名詞②

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POINT

・nachvollziehbar:(人の考えなどを、追体験して)理解できる
・gefährden:〜を危険にさらす、陥らせる
・anfassen:触る、掴む
・die Abteilung:部門、課、デパートなどの売り場(例えば Kleiderabteilung は「衣料品売り場」を意味します)
・für etw. zuständig sein:〜に権限のある、責任のある (英語の be responsible for)

定関係代名詞

定関係代名詞を使う場合は、先行詞の「」を見極めて、2つの文章をつなげて組み立てていくことになります。

Ich habe eine Schwester. Sie ist 15 Jahre alt.
(私には姉/妹がいます。彼女は15歳です。)

↓ 関係代名詞を使って書き換えると . . .

Ich habe eine Schwester, die 15 Jahre alt ist.
(私には15歳の姉/妹がいます。→ 先行詞は Schwester で、女性1格

2格と複数の3格だけは定冠詞よりも語尾が少し長いですが、それ以外は全く同じです。

※ 定冠詞と異なるところのみ色分けしています。

1格2格3格4格
男性derdessendemden
女性diederenderdie
中性dasdessendemdas
複数diederen (derer)denendie

Wo ist der Deckel, der zu dieser Kiste gehört?
(この箱の蓋はどこにあるの? → 男性1格

Der Student, dessen Vater Arzt ist, studiert Medizin.
(父親が医者であるその学生は、医学を学んでいる。→ 男性2格

Ich habe eine Freundin, deren Schwester Schauspielerin ist.
(私には、姉/妹が女優をしている友人がいる。→ 女性2格

Das Medikament, das Sie wünschen, gibt es nur auf Rezept.
(ご所望のお薬は、処方箋でのみ入手可能です。→ 中性4格

Ich zeige dir die Bilder, die ich in Frankreich gemacht habe.
(君に、フランスで撮った写真を見せてあげるよ。→ 複数4格

Der Eisbär verbleibt lange Zeit auf Eisschollen, auf denen er sich treiben lässt.
(北極グマは長い間流氷の上にとどまり、それに乗って漂流します。→ 複数3格

関連記事:【der・dem・denen など/定関係代名詞】ドイツ語の関係代名詞①

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POINT

・zu jdm./etw3(Dat.) gehören:〜に属する、〜の一部である
・das Rezept:処方箋、領収書、レシート
・zeigen:見せる、示す、放映する (英語の show)
・verbleiben:❶(お金・時間などが) 残っている、余っている ❷(場所) とどまる、滞在する ❸取り決める
・die Eisscholle:(海に浮かぶ) 氷原、大流氷
treiben:(水面などを) 漂う、浮遊する

関係副詞

関係副詞とは、接続詞の働きをもつ副詞で、形容詞節または名詞節を導きます。英語では wherewhenwhyhow などに相当します。

Ich weiß, wo er wohnt.
(私は彼が住んでいるところを知っている。)

Wo Licht ist, ist auch Schatten.
(光があるところには、また影もある。)

Ich war früher da, wohin du gehst.
(私は君が行くところに、以前いたことがある。)

Er fuhr dorthin, woher er gekommen war.
(彼は自分がやって来たほうへ戻っていった。)

Die Weise, wie man gibt, gilt mehr als was man gibt.
(与える方法は、与えるものよりも重要です。)

関連記事:【関係副詞を徹底攻略】ドイツ語トレーニング

POINT

・der Schatten:陰、日陰、(絵や写真などの) 暗い部分
・gelten:価値がある、有効である、適用される、(als や für とともに) 〜と思われている、(viel や wenig などとともに) 価値がある
・die Weise:やり方、方法


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