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ドイツのクリスマスマーケットめぐりで訪れた、ロマンティック街道に位置する「Nördlingen / ネルトリンゲン」。
私が子供の頃にテレビで観た、高い塔の上から何やら叫んでいるおじ様の姿。
当時は国も街も覚えていませんでしたが、それがネルトリンゲンだと分かってからは、いつか行ってみたいなぁと思っていました。
ネルトリンゲンは、バイエルン州のシュヴァーベン行政管区のドナウ=リース郡に属し、1500万年前に隕石が衝突した跡の盆地に位置する、市壁に囲まれた円形の街として知られています。
1215年にフリードリヒ2世から都市権を与えられて「帝国自由都市」となり、最初の市壁が築かれました。
1327年に建造された市壁には楼門が5つあり、市壁の内側の通路も完全に保存されているため、ローテンブルクのように歩いて観光することができます。
赤茶色の屋根の木組みの家が連なる街並みは、これぞ中世ドイツの城郭都市、といったところ。
ちなみに、「-ingen」で終わる名前の街は、ゲルマン人が作ったものが多いのだそうです。
今回は、そんなネルトリンゲンの幻想的なクリスマスマーケットをご紹介します。
ネルトリンゲンに到着
ローテンブルクから電車で約2時間と少し。
いざネルトリンゲン駅に降り立つと、目の前に広がるのは想像していたのとはなんだか違う風景です . . . 。
キョロキョロと辺りを見回すと、目線の先には紛れもない聖ゲオルク教会の塔、通称「ダニエル」が!
高さ約90メートルもある「ダニエル」はネルトリンゲンのシンボルで、街のどこからでも見える目印でもあります。
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▼ 今夜はなるべく小ぢんまりとした宿にしたいと思い、ダイニンガー通りを歩いて目に止まった小さなガストホフに泊まることにしました。親切なご夫婦が2階に案内してくださり、ネルトリンゲン滞在中のお部屋が決まりました。
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オーナーのおじ様が、「テレビ観る?」と言いながらテレビを抱えてきてくれました(笑)。
お部屋に荷物を置いて、早速ネルトリンゲンの街に繰り出します。
ネルトリンゲンのクリスマスマーケット
▼ ネルトリンゲンの中心、聖ゲオルク教会のほうへ歩いていくと、移動式の回転木馬がありました。後ろに見えるのが教会塔の「ダニエル」です。
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▼ こちらの写真は、聖ゲオルク教会の北側に位置するマルクト広場です。
右側に見える立派な木組みの建物は「Tanzhaus / タンツハウス」と呼ばれ、中世の時代に毎年見本市が開催されていたときに、布織物の商人たちはこのタンツハウスに商品を展示していたそうです。
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▼ マルクト広場にて。瞳が青いお馬さんを生まれて初めて見ました。
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このあとにすぐに「リースクレーター博物館」に見学に行きましたので、次の写真はやや暗くなってからのクリスマスマーケットです。
▼ ネルトリンゲンの目抜き通り、「Schrannenstraße / シュランネン通り」です。
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▼ 段々と日が暮れて、クリスマスマーケットの明かりが際立つ時間になってきました。
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▼ 定番のホットドッグなどの他に、サーモンなどのお魚のサンドウィッチの屋台もあります。
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▼ 「Bismarckhering / ビスマルクヘリンク(ニシンの酢漬け)」のサンドウィッチを買いました。私の大好物です。
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▼ イエス・キリストの生誕の場面を模した「クリッペ」。
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▼ 屋台では工芸品がたくさん売られています。さすが職人の国ドイツ。
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▼ マルクト広場のクリスマスツリーです。大きく輝いています。
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▼ クリスマスツリーの別角度です。暗くなると映えますね。
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▼ 回転木馬が、まるで映画のワンシーンのようです。何故かオーソン・ウェルズの「第三の男」が浮かんでしまいました(笑)。
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▼ Alte Schranne (かつての穀物倉庫で、赤い建物)の前はちょっとした広場になっています。
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▼ 「ダイニンガー通り」から見たクリスマスマーケットの入り口です。
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▼ 寒いのですが、グリューワイン(スパイスの入った温かいワイン)を飲みながらライトを眺めていると、まるで暖炉に当たっているかのような気持ちになります。
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次の記事では、聖ゲオルク教会の塔「ダニエル」にのぼってみます。