【大聖寺/茨城県土浦市】大聖不動明王とミニお遍路

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©︎RIKA(大聖寺本堂/茨城県土浦市)

茨城県土浦市にあります「羽黒山今泉院大聖寺」は、995年(長徳元年)に醍醐寺成尊僧都(じょうそんそうず)が開山したと伝えられる古い歴史をもつ寺院です。

これまでに何度か伽藍の焼失に見舞われたものの、1985年(昭和60年)に本堂がようやく再建され、1987年(昭和62年)に北関東36不動尊霊場第31番札所となり、その後護摩堂や大師堂などが整備されていったのだそうです。

御本尊は大聖不動明王で、「土浦大師不動尊」とも呼ばれています。

目次

山門

土浦城主、松平信興から 1685年(貞享2年)に寄進されたという茅葺の山門

▼ 山門をくぐってさらに進んでいきます。

弁天池

右手の弁天池の向こうには、弁財天が祀られている社が見えます。
池では鯉が泳いでいました。

四脚門

1369年(応安2年)に創建された四脚門です。入って来た方向に向かって撮影しました。

大杉殿

四脚門を抜けたすぐ左手には大杉殿の鳥居がありました。
真言宗の開祖、空海(弘法大師)は神仏習合思想を実践されていたからでしょうか。

鐘楼堂

大杉殿の階段をあがると、鐘楼がありました。

▼ 大杉殿の階段を戻ってさらに進むと、本堂らしき建物が見えてきました。

護摩堂

護摩とは密教の儀式で、不動明王や愛染明王などの御本尊の前で護摩木を焚いて厄や災いを払い、御本尊の御加護を祈願する行法のことをいいます。

大聖殿(本堂)

茨城県最大といわれる本堂は、1863年(文久2年)に一度焼失してしまい、100年以上経った 1985年(昭和60年)に悲願の再建を果たしたという経緯があります。

四国八十八箇所のミニ霊場

大聖寺の特徴のひとつに「四国八十八箇所(お遍路)」の巡礼ができる「ミニ霊場」があります。

お遍路とは、空海が修行して回った四国の八十八箇所の霊場を巡り歩くことをいいまして、大聖寺のミニ霊場は本物の 約1/1000 に相当するそうです。

一巡の所要時間はおよそ一時間ほどですので、「いつかお遍路してみたいけど四国に一ヶ月以上滞在するのは難しい。。。」という方にオススメです。

ただし、出来るだけ日光の強い日や寒い日は避けていただき、ご自身の体力や体調とよく相談してくださいね。

ミニお遍路をするには

まずは寺務所にて巡拝用の納め札(90枚セット)を求め、寺務所前の「霊山寺の釈迦如来」からスタートし、一尊ごとに設置された納札箱にお札を一枚ずつ納めながら巡拝するようになっています。

それぞれの箇所には本霊場各札所同様の本尊像が建立されており、その足下には本四国八十八箇所の各霊場の砂が鎮められていまして、拝礼することでその霊場を訪れたことになり、ご利益も同じなのだそうです。

箱にお札を納めたら「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」と唱えます。遍照金剛とは大日如来の別名で、このお経は「弘法大師空海に帰依します」という意味です。

30番が2つあるため89枚、そして最後の一枚を御本尊に納めるため合計90枚となります。

ご注意

90枚全てのお札に自分の名前、住所、願い事などを記入するため、事前にお札をお買い求めのうえ自宅で書いてからお遍路するのが良いとのことですが、遠方の方にはこのお札のセットを予め発送して下さるそうですので、ご興味のある方は 大聖寺のホームページ をご確認ください。

結願之証

全てのお遍路を達成しますと「結願」となりますが、「結願之証冥加料あり)」を求めたい方は、以下の2つの方法があります。

① 弘法大師修行像(87番 長尾寺/聖観世音菩薩像のそば)の蓮華台にのって拝礼をする(※ このとき、土足厳禁

② 本堂地下にて胎内潜りをする(※ 予約制なので、事前にご確認を

ミニ霊場を巡礼する時間がない場合

弘法大師修行像の下には本四国八十八箇所全霊場の砂が鎮められており、靴を脱いで蓮華台にのって拝礼をすることで、お大師様の功徳に浸ることも可能とのことですので、どうしても時間がなくミニ霊場でのお遍路が難しい場合は、この特別ルールでお参りをすることもできます。

▼ 左手に見えますのが弘法大師修行像です。

龍神伝説

大聖寺には龍神伝説があり、龍をモチーフにした御朱印が有名です。

今から300年近く前のこと、この地域で雨が一向に降らず、人々が困り果てていました。

大聖寺の霊天和尚が中心となって、七日七夜「雨乞いの法」を続けましたが、一向に雨が降る気配はありません。

それでも和尚は渾身の力を振り絞り、修法を続けました。

そして結願の日。
辰の五つ刻の頃(日没時)、急に辺りが暗くなり、雷鳴轟く雲の間から口を開けた巨大な龍が現れ、鋭い爪を出し和尚に襲いかかって来ました。

和尚が龍に向かって水晶の大念珠を投げつけたところ、念珠は飛び散り、その母珠が龍の持っていた宝珠に当たり、龍は雷雲の中に消えていきました。
そしてその瞬間に、念願の雨が滝のように降って来たのだそうです。

このときの大念珠の母珠と龍の爪が、大聖寺に寺宝として伝えられており、現在は非公開となっています。

▼ 寺務所でいただいたリーフレット

最後に

私にとって初めての土浦訪問でしたが、大師様のご利益に浸り、心身ともにリフレッシュすることができました。

個性的な御朱印でも有名な寺院ですので、ご興味のある方は是非お参りしてみてくださいね。


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