京都市左京区の「大原」は日本一の紫蘇(しそ)畑の里として知られ、のどかな雰囲気に包まれた人気の観光スポットです。
大原観光では、大きく分けて「東の三千院」エリアと「西の寂光院」エリアがあり、今回ご紹介する宝泉院は三千院の近くにあります。
目次
宝泉院の歴史
寺伝によりますと、天台宗の勝林院(しょうりんいん)の僧・円仁(慈覚大師)の居所として平安末期頃に建てられ、現在の書院は1502年(文亀2年)に再建されたものです。
廊下の天井は「血天井」として知られ、安土桃山時代の武将で徳川家康の家臣であった鳥居元忠が伏見城で自害したさいの床板が使用されており、これを天井にして祀ることで霊の供養としているそうです。
▼ 三千院の参道を進み、律川に架かる未明橋を渡ります。
大原に流れている呂川(りょせん)と律川(りつせん)は、インドの五明のひとつである「声明(しょうみょう:お経に旋律や抑揚をつけて唱えること)」の呂曲(呂旋法)と律曲(律旋法)に因んで名付けられたのだそうです。
「呂律が回らない」とは、「声明の調子が外れて上手に出来ない」ことが語源となっているのですね。
▼ 突き当たりの勝林院を左手に進みますと、宝泉院があります。
▼ 宝泉院の山門をくぐります。
▼ 山門をくぐると、前方に大きな松が目に入りました。
五葉松
宝泉院の五葉松は京都市内でも著名な松のひとつで、京都市の天然記念物に指定されています。樹齢は700年以上。
初夏の青々とした草木を背景にしたその圧巻の佇まいに、しばらくボーッとしてしまいました。
午後の穏やかな陽の光、そして静かに流れる涼しい風の中で庭園を眺めていると、とても贅沢な時間に感じられます。
▼ お抹茶とお茶菓子をいただきました。宝泉院の拝観料に含まれています。
盤桓園(ばんかんえん)
宝泉院は、鴨居・敷居・柱を額縁に見立てて鑑賞する「額縁庭園」としても大変有名で、「額縁寺」とも呼ばれています。
盤桓とは「先に進まずにとどまること」という意味で、この盤桓園目当てで訪れる人も多いそうです。
鶴亀庭園
江戸時代に作庭されたという鶴亀庭園は、池の形を鶴、築山を亀と見立てて鑑賞するそうです。
最後に
大原は京都の中心部に比べて人が少なく、寺院をゆっくりと拝観することができますので、四季折々の風景を楽しみながらお抹茶で一服するのはいかがでしょうか。
お時間に余裕のある方は、是非大原まで足を運んでみてくださいね。