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中世の面影を色濃く残す、ドイツ屈指の観光都市、ローテンブルク・オプ・デア・タウバー。
ローテンブルクの中心にある「Marktplatz / マルクト広場」には、市庁舎と市参事会酒宴場(時計台)があり、街の観光拠点でもあるため、いつも多くの人々で賑わっています。
晴れた日にはオープンカフェで日向ぼっこをしながらお茶を飲んだり、ときどき市が開かれることもあるため、掘り出し物を探したりするのもオススメです。
市庁舎の展望台
まずはローテンブルクの観光で外せない、中世の街並みを一望できる市庁舎の塔です。
ちなみにこの市庁舎は、高さ約60メートルの鐘楼を持つゴシック様式の旧館、ルネサンス様式の新館、バロック様式のアーケードと、3つの建築様式からなる珍しいたてものです。
それでは塔の頂上を目指して、らせん状の階段をのぼっていきます。
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▼ 最上階への手前の階段を上から見たところです。
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▼ 塔の屋上へ続く、はしごのような階段をのぼればあと少し。
他の観光客の方と、一人ずつ譲り合いながらのぼります。
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▼ はしごを上から見たところです。のぼるよりも下りるほうが怖いです。
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▼ ローテンブルクの美しい街並みを見渡すことができます。
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▼ ちょっとだけパノラマ。
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▼ 聖ヤーコプス教会 が見えます。2本の尖塔のデザインが異なっているのは、別々の建築家によるものだからだそうです。
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▼ ブルク庭園方面です。渓谷の向こうまで見えます。
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塔から下りたあとは、市庁舎の階段に座り、屋台で買った温かいりんごジュースを飲みながら、仕掛け時計の時間になるのを待ちました。
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Meistertrunk マイスタートゥルンクの伝説
三十年戦争の真っ只中、プロテスタントの街であったローテンブルクは、ティリー将軍率いるカトリック軍に包囲され、ティリー将軍は街を焼き払うと言って脅しました。
ローテンブルクの人々はマルクト広場に集まり、ティリー将軍に命乞いをしますが、将軍は聞き入れようとしません。
そこで何とか将軍の気持ちを和らげようと、ローテンブルクの銘酒、フランケンワインを将軍に差し出しました。
美味しいワインで気持ちがやや穏やかになったティリー将軍は、3.25リットルの大杯に入ったワインを一気飲みできる者がいたら赦してやると言い出しました。
それを聞いたヌッシュ市長は、私が受けて立つと名乗り出てこれを成し遂げ、街は救われたのです。
ワインを飲み干したあと、ヌッシュ市長は倒れてしまい数日間眠ったままでしたが、その後80歳まで天寿を全うしたそうです。
Meistertrunk とは、「Bürgermeister / 市長」と「Trunk / 飲酒」を組み合わせた造語で、身を挺してローテンブルクの街を救った市長の勇敢さを表しています。
市参事会酒宴場の仕掛け時計には、このヌッシュ市長の伝説が再現されていまして、時間になると人々を楽しませてくれます。
▼ 仕掛け時計の時間になりました。(11時から22時まで、1時間ごと)
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▼ 左側の窓にはティリー将軍がいます。
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▼ 右側の窓はヌッシュ市長です。
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▼ ワインをぐいっと飲み干します。
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▼ ちなみに、このヌッシュ市長がワインを飲むときに使った大杯は、聖ヤーコプス教会のやや西にあります「Reichsstadtmuseum / 郷土博物館」に展示されています。
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最後に
「ロマンティック街道のハイライト」と称されるローテンブルクは、街全体が見どころに溢れていますので、十分に時間をとってゆっくり観光するのがオススメです。
そして余力があれば、是非足を伸ばして隣町の クレクリンゲン への日帰り旅行も検討してみてください。