【中世犯罪博物館】身の毛もよだつ罪と罰の歴史 − ドイツ

Posted in ドイツ, 旅行記
ローテンブルクの中世犯罪博物館
©︎RIKA(中世犯罪博物館にて/ドイツ・ローテンブルク)

「ロマンティック街道のハイライト」といわれ、絵本のような可愛らしい木組みの家が立ち並ぶローテンブルクは、ドイツの観光地の中でも屈指の人気を誇る街として知られています。

今回は、そんなメルヘンチックなローテンブルクにあります、「中世犯罪博物館」をご紹介したいと思います。

この「中世犯罪博物館」には、ドイツの過去700年(12世紀から19世紀)の法制史についての貴重な資料や、当時の刑罰に使われた拷問器具などが展示されていまして、怖いもの見たさに訪れる人々が後を絶ちません。

東京都千代田区神田駿河台にあります明治大学に併設されている博物館にも、日本の刑罰についての希少な史料が展示されていますが、日本で唯一の「ニュルンベルクの鉄の処女」のレプリカがあったりと、こういったおぞましいものはどこか人の好奇心を刺激するようです。

ローテンブルクの正式名称

ローテンブルクは、「タウバー川の高台にある」という意味で Rothenburg ob der Tauber といいます。

北ドイツに Rothenbürg (発音は ローテンビュルクに近いです)というよく似た名前の街がありますが、ごく稀に間違えてこの Rothenbürg 行きの電車に乗ってしまう方がいるそうですので、皆さんも切符を購入するときや乗り換えの際は十分にご注意ください。

中世の刑罰の歴史へ足を踏み入れます

▼ 中世犯罪博物館は、マルクト広場から南、「Burggasse ブルク通り」沿いにあります。
入り口の奥に、いきなり「パン屋のカゴ」がありました。これは、小麦粉の量をごまかしたパン屋の主人を中に入れて、川で水責めにするためのカゴです。

▼ 入り口の外にある枷木は、首と手、そして足を入れることができますので、人気の撮影スポットとなっています。

▼ ドキドキしながら入り口のドアを開けます。

▼ 早速「アイアン・メイデン(鉄の処女)」がお出迎え。気合いを入れましょう。

▼ 地下牢にでも続いていそうな階段。見学順路が地下からスタートという演出が効果的。

展示室は地下から地上3階まで、計4フロアで構成されています。

▼ まずは針の椅子。覚悟はしていましたが、序盤から圧倒されてしまいます。

▼ 右側に首を通し、徐々に身体を伸ばしていくという刑。どうしてこんなものを思いつくのでしょうか。。。

▼ 拷問の教科書。

▼ 舌や指などに苦痛を与えるための締め具です。

左上の異彩を放つ器具は「苦悩の梨」と呼ばれています。使い方については割愛させていただきます。。。

日本語のパンフレットに加えて、展示物の多くに日本語の解説が付いていることからも、この博物館の人気の高さが窺えます。

▼ 様々な拘束具。見ているだけで身体がぞわぞわしてきます。

ローテンブルクの中世犯罪博物館

▼ 拷問の様子を描いた絵。想像力を刺激する絶妙なタッチで恐ろしいです。

▼ 当時の使い方マニュアルとセットで展示されています。淡々とした説明のためか、怖さが倍増してしまいます。

恥辱のマスク

現代では考えられない「名誉刑」の象徴として、特筆すべきはやはり「恥辱のマスク」のコーナー。

「恥ずかしい気持ち」を与えて晒し者にする、という発想の刑罰です。

「おしゃべりの過ぎる女性用」「豚のように振る舞う男性用」など種類は様々で、こういったマスクを被せて一定時間街角に立たされていたのだそうです。

▼ 上に見えるのは「喧嘩をやめない女性2人用」の二輪首かせです。喧嘩をやめるまで外してもらえません。

▼ 二輪首かせは、このように首と両腕を固定させて使うそうです。

解説には「がみがみけんかし合う二人の女たちを向かわせて、けんかをやめるまで首かせをさせて、公衆の前で笑いものにした。」と書かれています。

▼ この他にも、下手な楽師にはラッパ型の首かせや、大酒飲みの酔っ払いには酒樽のマントといったものなど、現代人からすると有り得ないような屈辱的な刑が科せられていました。

見せしめや公開処刑などは、娯楽の少ない時代の人々にとって、一種のショーのようなものとして扱われていたようです。

▼ 当時の様子を再現したジオラマも多数ありました。「酔っ払いの樽」です。

▼ こちらは「貞操帯」です。長期間家を留守にする騎士が、妻に貞操を守らせるために履かせた鍵付きの鉄製パンツです。

▼ 再び「アイアン・メイデン(鉄の処女)」とご対面。

「中世の拷問器具」として有名なアイアン・メイデンですが、実際に使われていたかどうかについては懐疑的な見解を持つ研究者も多いそうです。

というのも、公的な記録はおろか、中世で実際に使われていたオリジナルは現存しておらず、現在欧州各地で展示されているものは全て18世紀末から19世紀に作られたものなのだとか。

しかしながら、この「ウソかホントか分からない」というところも、人々の好奇心を掻き立てているのかも知れません。

当時としては、これらの拷問や刑罰は社会的に重要な役割を果たしていましたが、中世から近世にかけて各地で行われていた悪名高き「魔女裁判」や、証拠不十分にもかかわらず無実の人々が拷問によって自白を強要されることに社会的批判が高まり、18世紀頃から刑事裁判の改革とともに拷問は廃止されるに至りました。

ちなみに、ヨーロッパで司法における拷問を最初に廃止したのはプロイセン王国のフリードリヒ2世で、1740年の即位後すぐに、多くの啓蒙主義的な改革を行ったことで知られています。

最後に

見学を終えて、何となくげんなりしながら博物館を出ると、ちょうど入り口にいたドイツ人観光客の方々から「どうだった?」と聞かれたので、

「とても興味深くておぞましい!」とだけ答えておきました(笑)。

好みの分かれる博物館ではありますが、中世の人々がどのような掟と罰のもとに生活していたのかを垣間見ることができるとても貴重な場所ですので、拷問器具を見てもとりあえず大丈夫そうな方は是非挑戦してみてください。

Mittelalterliches Kriminal Museum
Burggasse3-5,91541 Rothenburg o.d.T

▼ 中世犯罪博物館の公式サイト(日本語版)
https://www.kriminalmuseum.eu/

Scroll to top