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ネルトリンゲンのお散歩編 に続き、今回はネルトリンゲンの伝説についてお話ししたいと思います。
ネルトリンゲンの街を歩いていると、家の軒先やお店の入り口などに、可愛くペイントされた豚の置物や人形をよく見かけます。
実際に旅行などでネルトリンゲンを訪れた方は、きっと同じように感じることでしょう。
さて、これは一体何故なのでしょうか?
ドイツ人は豚肉が好きだからでしょ、と言いたくなるかもしれませんが、実はドイツでは、豚は幸運の象徴であり、とても縁起が良いとされているのです。
そしてネルトリンゲンでは特に、豚は「街の守り神」として大切にされているのです。
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ネルトリンゲンを救った豚の伝説
15世紀のある日のこと。
開いていた城門から1匹の豚が逃げ出し、「お〜い!豚が逃げたぞ!」と街は大騒ぎとなりました。
実はこの晩、敵軍が密かにネルトリンゲンを包囲して夜襲を企てていたのですが、この騒ぎにより襲撃が未然に防がれたため、ネルトリンゲンは救われたのです。
ネルトリンゲンに可愛い豚ちゃんたちが溢れているのは、街を救った英雄として人々に愛され続けているからなのですね。
今でも受け継がれている、聖ゲオルク教会の塔「ダニエル」の見張り番が叫ぶ „So, G’sell, so!“ は、もともとは „So, geht Sau, so!“ 「お〜い、豚が逃げたぞ!」が訛ったものだそうです。
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ちなみにこのとき、敵軍が門番に賄賂を渡し、門の鍵を開けさせていたという説もありますが、もしそれが事実であれば、賄賂によって豚が逃げ出して騒ぎが起こってしまったことに、何か自然の摂理のようなものを感じてしまいます。
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▼ 豚ちゃんたちとともに「So, G’sell, so! / お〜い、仲間たちよ!」の文字が見えます。
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ちなみにドイツでは、良いことがあったときに「Ich habe Schwein gehabt. / 豚を手に入れた。」と言うことがあります。
▼ 耳と鼻が金色の豚ちゃん。雪をかぶってしまって冷たそうです(笑)
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▼ 雪なのかひげなのか分からなくなってしまったサンタさん。
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(おまけ)ネルトリンゲンでのお食事
ネルトリンゲン滞在中のお食事とおやつをちょっとだけご紹介します。
まずは泊まっていたガストホフでいただいた、「トマトスープ」と「ハムとマッシュルームのトースト」です。
▼ 自家製クルトンがたっぷり入った熱々のトマトスープは、お食事のお供にぴったり。
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▼ 焼いたハムの脂の旨味がじんわりとトーストに染みていて、香ばしいきのこソースとよく合います。
私はあまりお酒が飲めないので、いつものようにアップルソーダをビール代わりにしています(笑)。
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お次も同じくガストホフでいただいた、「七面鳥のマッシュルームソース」です。
▼ 七面鳥のお肉ときのこのコクのあるクリームが美味しくて、パクパク進みます。
ライスに隠れたパイナップルがアクセントになっています。
このときは何故かちょっと思い立って、普段全く飲まないお酒を注文してみることにしました。
種類も銘柄も何も分からない状態で、一か八かメニューのアルコールの欄を適当に指差して、運ばれてきてから「これ何?」と聞いてみたら、コニャックでした。
20 ml 程度だったような気がしますが、結果酩酊状態になってしまいました(笑)。
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最後は、レプジンガー通り沿いでふらっと入ったレストランです。
▼ 「Escalivada / エスカリヴァーダ」をいただきました。これはスペイン自治州カタルーニャ地方の名物料理で、簡単に言いますと焼き野菜のサラダです。 素材の甘みを生かした優しいお味でした。
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ネルトリンゲンで食べたアップルパイ
ネルトリンゲンのお散歩編 でご紹介しました、「Hallgebäude / 大ホール」の目の前で、古本とお茶の組み合わせを発見しました。
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「Buch」とは、ドイツ語で「本」のことです(中性名詞)。
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▼ 神保町が好きな人は、このお店をきっと気に入ると思います。
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▼ こんな素敵なお店が自宅近くにあったら、毎朝通ってしまいそうです。
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▼ 大好きな「Apfelstrudel / アプフェルシュトゥルーデル(アップルパイ )」にアイスクリームを添えていただきました。毎日でも食べたいお味です。
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最後に
今回ご紹介した豚の伝説以外にも、ネルトリンゲンのクリスマスや聖ゲオルク教会などについて書いておりますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
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