【kein と nicht の違い】ドイツ語トレーニング

ドイツ語のkeinとnichtの違いの説明

keinnicht はどう違うの? kein は何となく分かるけど、nicht はどこに置いたらいいの?
そんなドイツ語学習者を悩ませる否定語、「kein」と「nicht」。

時々混乱してしまう方もいらっしゃると思いますが、今回は nichtkein の違いと使い方を、例文とともにしっかりとマスターしていきましょう。

ご興味のある方は、当サイトで ドイツ語クイズ を出題しておりますので是非ご覧ください。

目次

kein と nicht の違い

まず、keinnicht の違いは、簡単に言いますと以下のようになります。

・kein:主に不定冠詞付き、または無冠詞の名詞の否定
・nicht:それ以外を否定

よく、kein は英語の no で、nicht は英語の not だといわれていますが、keinnicht が両方使える用法があったり、nicht を置く位置などは not と大きく異なったりしますので注意が必要です(nicht の項目でご説明します)。

英語)I have no wife.(私には妻がいない。)

→ ドイツ語)Ich habe keine Frau.

英語)I’m not married.(私は結婚していない。)

→ ドイツ語)Ich bin nicht verheiratet.

kein の用法

さきほど、kein は「主に不定冠詞付き、または無冠詞の名詞の否定する」と書きましたが、これは以下のような名詞を指します。

・不定冠詞 ein、eine、einen などがつく名詞
・無冠詞の名詞、抽象名詞

不定冠詞がつく名詞の否定

不定冠詞がつく名詞を否定する場合は、kein名詞の性に応じて変化させます。

kein の格変化 についてはのちほどパターン表でご説明します。

例文1

Ich habe eine Katze.
(私は1匹の猫を飼っている。)

kein を使った否定文

Ich habe keine Katze.
(私は猫を飼っていない。)

例文2

名詞に付加語的形容詞が添えられる場合は、肯定文では不定冠詞がつきますので、これを否定するには必ず kein を使います。

Das ist ein großer Unterschied.
(これは大きな違いだ。)

kein を使った否定文

Das ist kein großer Unterschied.
(これは大きな違いではない。)

関連記事:【形容詞の格変化】ドイツ語トレーニング

kein の格変化

kein 以下のパターンに従って 格変化 します。

男性名詞女性名詞中性名詞複数名詞
1格keinkeinekeinkeine
2格keineskeinerkeineskeiner
3格keinemkeinerkeinemkeinen
4格keinenkeinekeinkeine

Bisher wurde noch kein Käufer für das Haus gefunden.
(今のところまだ家の買い手が見つかっていない。→ 男性1格

Keine Antwort ist ja auch eine Antwort.
(答えないのも答えのうちだ。→ 女性1格

Es sind nun sechs Jahr, dass ich von ihm keine Nachricht mehr bekommen habe.
(彼からの便りがなくなってからこれで半年になります。→ 女性4格

Kannst du bitte das Licht anmachen, ich habe keine Hand frei.
(電気を点けてくれる? 手がふさがってるの。→ 女性4格

Ich habe im nächsten Marathon keine Aussicht auf einen guten Platz.
(次のマラソン大会では上位入賞は見込めない。→ 女性4格

Sie haben kein Recht darauf.
(あなたにはその権利はない。→ 中性4格

Ich habe kein Gefühl mehr in den Händen.
(私はもう手に感覚がない。→ 中性4格

Er macht keine halben Sachen, denn er ist schließlich Profi.
(彼はやっぱりプロだから、中途半端なことはしない。→ 複数4格

関連記事:【machen】ドイツ語の基本動詞をマスターする

POINT

・bisher:まだ、今のところ
・die Aussicht:①眺め、見晴らし ②見通し、見込み
・das Gefühl:気持ち、予感、(芸術などの)センス、触感、感覚
・halben Sachen machen:中途半端なことをする、途中でやめる
・denn:(前文を受けて)というのは〜だから

無冠詞の名詞の否定

食べ物、飲み物、時間、お金、色など、特定の何かではなく無冠詞の名詞抽象名詞を否定する場合は、kein を使います。

無冠詞の名詞を nicht で否定する使い方もあります。のちほどご説明します。

Ich mag keine Möhren.
(私は人参が好きではありません。→ 複数4格

Ich trinke keinen Wein.
(私はワインを飲まない。→ 男性4格

Das Getränk enthält keinen Alkohol.
(この飲料はアルコールを含んでいない。→ 男性4格

Er kann kein Englisch.
(彼は英語が全くできない。→ 中性4格

Ich habe keine Zeit.
(私には時間がない。→ 女性4格

Ich habe keine Lust mehr.
(私はもうやる気が無い。→ 女性4格

Ich habe kein Geld.
(私はお金がない。→ 中性4格

Ich habe keine Allergie.
(アレルギーはありません。→ 女性4格

Sie ist keine Christin.
(彼女はクリスチャンではない。→ 女性1格

Das war kein Wolf, sondern ein Hund.
(それは狼ではなく犬だった。→ 男性1格

Sie brauchen keine Schreibsachen mitzubringen.
(筆記用具を持って来る必要はありません。→ 複数4格

Mein Fernseher ist wieder defekt und zeigt kein Blau.
(テレビがまた壊れて青色が映らない。→ 中性4格

nicht の用法と位置

nicht は、kein を使う場合以外の否定に用いられ、例えば以下のようなものがそれにあたります。

・述語動詞
・形容詞
・副詞
・前置詞句
・定冠詞・所有冠詞のついた名詞

多くて混乱しそうに見えますが、少ない方の kein を覚えてしまえば難しくはありません。

nicht の位置については、「nicht は直後の語を否定する」という原則がありますが、文全体を否定するときには文末に置きます。

nicht の位置に注意しながら、例文を見ていきましょう。

述語動詞の否定

例えば「彼は今日運転しない」と「彼は今日運転しない」とでは、nicht の位置は以下のように変わってきます。

例1 全文否定

Er fährt heute nicht.
(彼は今日運転しない。)

→ 「運転する」が否定されますので、原則通りであれば kommt の前に nicht が置かれるはずですが、ドイツ語の平叙文では定動詞が2番目にきますので、nicht は文末に置かれます。

例2 部分否定

Er fährt nicht heute.
(彼は今日運転しない。)

→ 運転するのは「今日ではない」ので、heute の前に nicht が置かれます。

例3 部分否定の補足情報

Er fährt nicht heute, sondern morgen.
(彼が運転するのは今日ではなく明日です。)

POINT

・nicht A, sondern B:A ではなく B

形容詞の否定

Er ist immer nicht pünktlich.
(彼はいつも時間を守らない。)

「時間通りである」という pünktlich を否定するので、直前に置かれます。

※ いつもではなく「たまには時間を守る」場合は、immer の前に nicht を置きます。

Der Tumor war nicht bösartig.
(腫瘍は悪性ではなかった。)

様態を表す副詞の否定

Er fährt nicht schnell.
(彼はスピードを出さない。)

→ 「早く」運転することを否定していますので、schnell の前に nicht が置かれます。

前置詞句の否定

文末に、動詞と密接な関わりを持つ「方向位置を表す前置詞句」がある場合は、nicht はその前に置かれます。

Ich gehe heute nicht ins Kino.
(私は今日映画に行かない。)

Er wohnt nicht in Heidelberg.
(彼はハイデルベルクには住んでいない。)

関連記事:【gehen】ドイツ語の基本動詞をマスターする

POINT

特にこういった「方向」を表す補完語の否定の場合は、「ins Kino gehen」を否定する全文否定なのか、「ins Kino」を否定する部分否定(映画には行かないけど他の場所には行く)なのか判断ができないことがありますので、文章の場合は文脈で判断し、口頭の場合はアクセントによってどこを強調しているかを判断するといったことも必要になってきます。

定冠詞・所有冠詞のついた名詞

定冠詞(der・die・dieses など)や所有冠詞(mein・dein など)のついた名詞は nicht で否定します。

Ich nehme heute nicht den Zug, ich gehe zu Fuß.
(今日私は電車には乗らず歩いて行きます。)

Er konnte nicht seinen Augen trauen.
(彼は自分の目を信じることが出来なかった。)

関連記事:【können/話法の助動詞】ドイツ語トレーニング

nicht と枠構造

定動詞とその他の要素による「枠構造」を成した文章を否定する場合の nicht の位置について見ていきましょう。

基本的には、文末の述部要素の前に nicht が置かれます

Hier darf man nicht rauchen.
(ここは禁煙です。)

Ich kann deiner Logik nicht folgen.
(君の理屈にはついていけない。)

Man soll nicht mit vollem Mund sprechen.
(口の中がいっぱいのときに喋るべきではない。)

Er ließ ihre Hand nicht mehr los.
(彼は彼女の手を離さなかった。)

Ich komme morgen, nur wenn es nicht regnet.
(雨が降らなかった場合のみ、明日来ます。)

関連記事:【kommen】ドイツ語の基本動詞をマスターする

副文の否定

主文の nicht で副文を否定することがよくあります。

Ich weiß nicht, ob er kommt.
(彼か来るかどうかは分からない。)

Ich ging nicht deshalb hin, weil ich es wollte.
(私はそこへ行きたくて行ったわけではありません。)

関連記事:【mögen と wollen の違い】ドイツ語トレーニング

無冠詞の名詞を nicht で否定する

さきほど、「無冠詞の名詞は kein を使って否定をする」とご説明しましたが、nicht が使われる場合もあります。

◆ 固有名詞

Die Hauptstadt Marokkos ist nicht Casablanca, sondern Rabat.
(モロッコの首都はカサブランカではなくラバトです。)

◆ 名詞が特定の動詞と結びついてひとつの意味を成す場合

Er kann nicht Englisch sprechen.
(彼は英語を話すことが出来ない。)

seinwerden など、「主語と補語」の関係をつくる動詞が述語内容を示す場合

国籍・職業・身分などを表す名詞は、nicht を使って否定されることが標準とされていますが、kein を用いることも多いです。

Er ist nicht Lehrer.
(彼は教師ではない。)

Er ist kein Lehrer, sondern Doktor.
(彼は教師ではなく医者だ。)


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