【sein の使い方】ドイツ語トレーニング

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ドイツ語を話す上で最も基本となる「sein」は、助動詞であり、動詞であり、そして所有冠詞でもあります。

今回は、この sein を例文とともに徹底的に解説していきますので、特にこのページには全力を注いでいただきたいと思います。

ご興味のある方は、当サイトで ドイツ語クイズ(5000問) を出題しておりますので是非ご覧ください。

目次

sein とは

sein の役割は、大きく分けて以下の3つに分かれます。

動詞:英語の is や are、was などと同様に、動詞(存在詞)として「〜である」「存在する」を表す

完了の助動詞:動詞の過去分詞とともに完了形をつくる

所有冠詞:3人称の人称代名詞に対応する「彼の」と、男性名詞や中性名詞を受けて「それの」として用いられる

sein の基本の活用形

sein の基本的な人称変化(直説法)の一覧です。

例文を読みながら徐々に身につけていくのが良いかと思いますので、ここはさらっと読み飛ばしていただいて大丈夫です。

助動詞sein 支配
1人称bin
親称 dubist
er / sie / esist
複数形sind
2人称複数 ihrseid
親称 du 過去形warst
過去形war
ihr 過去形wart
過去形複数waren
過去分詞gewesen

まずはウォーミングアップとして、sein が使われている例文を読んでみましょう。
分からなくなったら、活用形 に戻って確認してみてください。

Ich bin Arzt.
(私は医者です。→ 動詞)

Mir ist kalt.
(私は寒い。→ 動詞)

Drei und acht ist elf.
(3 たす 8 は 11 → 動詞)

Ich denke, also bin ich.
(我思う、故に我あり。→ 動詞)

Wir sind immer glücklich.
(私たちはいつも幸せです。→ 動詞)

Ich bin um 7 Uhr aus dem Haus gegangen.
(私は7時に家を出た。→ 完了の助動詞)

Er ist mit dem Auto nach Kyoto gefahren.
(彼は車で京都に行った。→ 完了の助動詞)

Ich brauche seine Hilfe.
(彼の助けが必要だ。→ 所有冠詞)

関連記事:【動詞の人称変化】ドイツ語トレーニング

それでは、それぞれの使い方を詳しく見ていきましょう。

動詞の sein

動詞とは、主語と述語を結ぶ機能をもつ品詞で、主に動作や状態などを表します。

ドイツ語は英語と異なり、現在進行形がありません。

例えば eine lachende Frau「笑っている女性」とは言えますが、✖️ eine Frau ist lachend とは言えません。この場合は Eine Frau lacht.「女性が笑っている」と現在形で表現します。

現在形

Er ist jung.
(彼は若い。)

Es ist drei Uhr.
(3時です。)

Was ist das?
(これは何ですか?)

Heute ist es schön.
(今日は天気が良い。)

Das ist mein Auto.
(それは私の車です。)

Von wem ist der Brief?
(この手紙は誰からですか?)

Das kann doch nicht sein.
(それはありえないことだ。)

Mir ist heute nicht nach Gesellschaft.
(今日はパーティに出る気がしない。)

Was nicht ist, kann noch werden.
(今存在していないものは、これから生じてくるかもしれない。)

Die Tür ist auf. / Das Fenster ist zu.
(ドアが開いている。/ 窓が閉まっている。)

Wir sind auf dem Heimweg.
(私たちは家に帰る途中だ。)

Sie sind Christen.
(彼らはキリスト教徒です。)

Seid ihr wirklich Zwillinge?
(君たちは本当に双子なの?)

関連記事:【疑問文のつくり方/疑問代名詞・疑問副詞】ドイツ語トレーニング

POINT

・sofort:即座に、すぐに
・auf dem Heimweg:帰り道で

過去形

Er war im Krankenhaus.
(彼は入院していた。)

Das war im Herbst 20XX.
(それは20XX年の秋のことだった。)

Es war klar, dass das Haus bewohnt war.
(その家に人が住んでいたことは明らかだった。)

Gestern war den ganzen Tag schönes Wetter.
(昨日は一日中いい天気だった。)

関連記事:【ドイツ語】天気に関する表現をマスターする

POINT

・die Gesellschaft:❶社会 ❷団体、協会、会社 ❸集まり、パーティ
・bewohnen:(人が街・家などに) 住んでいる、(動物が、ある地域に) 生息している

完了の助動詞の sein

sein は動詞の過去分詞とともに完了形をつくります。

「完了形」とは、行為や起こった出来事などを、ある時点から見てすでに「完了したこと」として表す時制のことを指す文法用語です。

sein 支配 と haben 支配

ドイツ語の動詞には「sein 支配」と「haben 支配」とがあり、辞書で引くと必ずどちらなのかが分かるようになっています。

ほとんどの動詞は haben 支配ですので、sein 支配を覚えるようにすると効率が良いと思います。

一部例外はあるものの、sein 支配と haben 支配はおよそ以下のような違いがあります。

・sein 支配:自動詞のうち、「場所の移動」または「状態の変化」を表す動詞
・haben 支配:自動詞で sein 支配以外のもの、他動詞(4格目的語ととるもの)、再帰動詞、状態を表す動詞

gehensein 支配

Obwohl er krank war, ist er zur Arbeit gegangen.
(彼は体調が悪かったにもかかわらず仕事に行った。)

essenhaben 支配

Warst du es, der/die mein Sandwich gegessen hat?
(私のサンドウィッチを食べたのはあなた?)

※ ただし、意味によって sein と haben の両方をとる動詞もありますので注意しましょう。

関連記事:【ドイツ語の時制】ドイツ語トレーニング

現在完了形

現在完了は、ある過去の事柄を現在と関連付けながら述べるときに使われます

また、未来の時点で完了したこととして表すときにも、現在完了が使われます。

Sie ist lange im Ausland gewesen.
(彼女は長い間外国に行っていた。→ sein)

Er ist schon nach Hause gegangen.
(彼はもう帰宅してしまった。→ gehen)

Unterwegs bin ich meinem alten Bekannten begegnet.
(途中で私は古い知人に会った。→ begegnen)

Die Geschichte ist uns lange in Erinnerung geblieben.
(その物語はずっと私たちの記憶に残った。→ bleiben)

Das Tor ist um 8 Uhr geöffnet worden.
(そのもんは8時に開かれた。)

Der Täter ist endlich gefangen worden.
(犯人がやっと捕まった。→ 受動態)

関連記事:【werden と sein/受動態の基本 編】ドイツ語トレーニング

POINT

・unterwegs:途中で
・der/die Bekannte(r) :知り合い、知人
・jdm./etw3(Dat.) begegnen:(偶然) 会う、出くわす、(問題や困難などに) 直面する
・die Erinnerung:記憶、覚えていること
・der Täter:犯人、容疑者
・fangen:(ボールなどを) キャッチする、(人や獲物を) 捕らえる、(話・音楽・魅力などが) 魅了する

過去完了形

「過去完了」とは、ある事柄が他の過去の出来事よりもさらに前に発生したことを表す時制で、過去の事柄を表す文とともに用いられます。

過去完了は、war や hatte などの「助動詞の過去形」と「動詞の過去分詞形」を組み合わせてつくります。

Er war bis dahin 10 Jahre lang unfallfrei gefahren.
(彼はそれまで10年間無事故だった。)

Sie war schon ausgegangen, als er kam.
(彼が来たとき彼女は出かけていた。)

Nachdem er nach Berlin abgefahren war, kam der Brief an.
(彼がベルリンに発ったあとで手紙が届いた。)

関連記事:【werden と sein/受動態の基本 編】ドイツ語トレーニング

POINT

・ausgehen:❶出かける、外出する ❷(電気・機械などが) オフになる、尽きる、なくなる
・abfahren:(乗り物が) 出発する
・als:〜したとき(従属接続詞のため、定動詞は節の最後に置かれます)
・ankommen:着く、到着する、足を踏み入れる

未来完了形

未来の時点の「〜し終えているだろう」や、過去の「〜だったのだろう」という推量を表します。

Bis morgen wird das Paket angekommen sein.
(明日までにはその小包は届いているだろう。)

Sie wird wohl krank gewesen sein.
(彼女はおそらく体調が悪かったのだろう。)

関連記事:【wohl の使い方】ドイツ語トレーニング

zu 不定詞と

zu 不定詞 とともに「〜するべきである」「〜されねばならない」という意味になります。

Die Hitze ist kaum auszuhalten.
(この暑さは耐え難い。)

Diese Autos sind alle zu verkaufen.
(これらの車は全て売り物です。)

Die Frage ist sofort zu lösen.
(その問題はすぐに解決しなければならない。)

Die Waren sind sofort zu senden.
(この商品はすぐに送るべきだ。)

関連記事:【zu 不定詞】ドイツ語トレーニング

POINT

・aushalten:耐える、持ち堪える、長持ちする
・sofort:即座に、すぐに
・lösen:解く、解決する、(紐などを) ほどく

所有冠詞の sein

所有冠詞とは、文字通り所有を表す冠詞のことで、名詞と所有またはそれに似た関係を示します。英語では my、your、his、ther などに相当します。

名詞の性によって以下のように格変化しますので、しっかりとマスターしていきましょう。

男性名詞女性名詞中性名詞複数名詞
1格seinseineseinseine
2格seinesesseinerseinesesseiner
3格seinemseinerseinemseinenn
4格seinenseineseinseine

Sein Vater starb mit achtzig.
(彼のお父さんは80歳で亡くなった。→ 男性1格

Ich kann seinem Wort nicht trauen.
(彼の言葉は信用できない。→ 男性3格

Seine Schwester sieht jung aus.
(彼のお姉さんは若く見える。→ 女性1格

Ich kann seine Handschrift nicht lesen.
(彼の書いた文字が読めない。→ 女性4格

Jeder ist der Baumeister seines eigenen Glücks.
(誰もが自分の運命の設計者です。→ 中性2格

Er trinkt täglich seine zwei Glas Bier.
(彼は毎日ビールをグラス2杯飲むことにしている。→ 複数4格

関連記事:【不定代名詞】ドイツ語トレーニング

POINT

・das Wort:語、単語 (この意味の場合の複数形は Wörter)
・die Worte (複数形):言葉、成句
・jdm./etw3(Dat.) trauen:信用する、信頼する
・aussehen:(人・物・外観などが)〜 に見える
・eigen:自分自身の、自己(保有)の、自前の、独特の
・täglich:【形容詞】毎日の、日々の /【副詞】毎日、日ごとに

接続法 の sein

話し手による「発話内容の伝え方」に関する動詞の活用体系は「」と呼ばれ、ドイツ語の法には「直説法」「命令法」「接続法」の3つがあります。

・直説法:要求や非現実などの特別な意味を加えない文
・命令法:対話する相手への要求を表す文
・接続法:話者の頭の中の世界を表す文

  • 直説法:Sie isst gern Süßigkeiten.(彼女は甘いものを食べるのが好きだ。)
  • 命令法:Füllen Sie bitte dieses Formular aus.(この用紙に記入してください。)
  • 接続法:Ich wünschte, sie wäre meine kleine Schwester.(彼女が僕の妹だったらなぁ。)

ドイツ語の接続法は2つあり、大きく分けてそれぞれ以下の4通りの機能があります。

用法機能
要求話法要求・願望接続法1式
間接話法他者の発話内容の再現接続法1・2式
不一致の許容仮定と帰結の不一致を許容接続法1・2式
非現実話法非現実・潜在的可能性接続法2式

人称変化

sein は、接続法1式 と 接続法2式 で、以下のように変化します。

接続法 の sein接続法1式接続法2式
1人称seiwäre
親称 dusei(e)stwär(e)st
er / sie / esseiwäre
複数形seienwären
2人称複数 ihrseietwär(e)t

それでは、接続法1式 と 接続法2式の sein の使い方を見ていきましょう。

接続法1式

接続法1式 は、大きく分けて「間接話法」「要求話法」「不一致の許容」の3つがあります。

しかしながら日常会話では基本的に直説法が用いられ、接続法の場合はたいてい接続法2式が使われます。

Er sagte, sie sei krank.
(彼は、彼女が病気だと言いました。)

Sei vorsichtig!
(気をつけなさい!)

Wir gehen spazieren, es sei denn, es regnet.
(雨が降らない限り、お散歩に行きます。)

↓ こちらの記事で詳しくご説明しています。

関連記事:【接続法1式を徹底攻略】ドイツ語トレーニング

POINT

・vorsichtig sein:気をつける、注意する
・spazieren gehen:お散歩に行く

接続法2式

接続法2式 は、大きく分けて「非現実話法」「間接話法」「不一致の許容」の3つがあります。接続法1式が直説法と同形と場合には、代わりに接続法2式が使われます。

さらに日常会話では、人を誘うときや提案をするときに接続法2式を使うと、柔らかい丁寧な印象(婉曲表現)になります。

Ich fühle mich als ob ich im Ausland wäre.
(私はまるで外国にいるように感じた。)

Ich wünschte, Maria wäre meine kleine Schwester.
(マリアが私の妹だったらなぁ。)

Wie wäre es, wenn wir zusammen zu Abend essen?
(一緒に夕食はいかがですか。→ 婉曲表現)

↓ こちらの記事で詳しくご説明しています。

関連記事:【接続法2式を徹底攻略】ドイツ語トレーニング


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