【ja の使い方】ドイツ語トレーニング

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ドイツ語の ja は、英語の yes に相当する「はい」を意味する語であるとともに、会話に話者の心情を込める、表現豊かな 心態詞 としての役割も果たしています。

今回は、そんな ja の使い方を豊富な例文とともにご紹介していきますので、「はい」だけではなく他の表現もマスターしていただきたいと思います。

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目次

心態詞 とは何か

ドイツ語には、しばしば日本語に訳すのが困難な「心態詞」と呼ばれる言葉があります。

口語においては、話者のわずかな心の動きを豊かに伝えるためのスパイスとして頻繁に使われており、特に命令や要求疑問などの表現に見られる bloßdochebeneinfachmalschon などがそれにあたります。

例えば日本語の「やっぱり」「てっきり」「ちゃっかり」「(呆れたような)まったくもう」「どうせ」のように、心情をより生き生きとさせる表現が、諸外国語にもたくさんあるわけですね。

「はい」

皆さんもご存知のように、疑問文や命令文などに対して「はい」「ええ」「うん」などと答える場合に使い、賛同や同意も表します。

Wollen Sie mir helfen? − Ja, gern(e).
(手伝っていただけますか? − ええ、いいですよ。)

Dazu kann ich nicht ja sagen.
(それには同意できません。)

Noch eine Tasse Tee? − Ja, bitte.
(お茶をもう一杯いかがですか。− ええ、いただきます。)

Ist das möglich? − Ich glaube, ja.
(それは可能ですか? − だと思います。)

Hilfst du deinen Eltern oft im Haushalt? − Ja, ich bringe manchmal den Müll raus und decke den Tisch.
(ご両親の家事のお手伝いはよくするの? − うん、時々ゴミ出しもするし食卓の準備もするよ。)

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POINT

・der Haushalt:家事、家計、所帯
・manchmal:時々
・der Müll:ゴミ、くず、廃棄物
・den Tisch decken:食卓の用意をする

「それどころか」

「いやそれどころか」のように、前言をさらに強調する表現です。文中でアクセントなしで用いられます。

Das ist schwer, ja unmöglich.
(それは難しいというか不可能だ。)

Ich mag sie nicht, ja ich hasse sie.
(僕は彼女が好きではないどころか憎んでいる。)

Dort gab es viele Menschen, ja mehr als tausend.
(そこには大勢の、1000人以上の人がいた。)

Er benimmt sich ungehörig, ja frech.
(彼の振る舞いは礼儀知らずというより図々しい。)

Wir waren alle schrecklich wütend, ja sogar mein Vater, der sonst immer ganz ruhig bleibt.
(私たちは皆とても怒っていました。いつも穏やかな私の父でさえも。)

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POINT

・unmöglich:不可能な、信じられない、場違いな、突拍子もない、ひどく風変わりな
・sich benehmen:振る舞う、行動する
・ungehörig:不適切な、節度のない
・frech:❶厚かましい、図々しい、不遜な ❷人目を引く
・schrecklich:(知らせ・事件・病気などが) 恐ろしい、(匂い・暑さ・人混みなどが) 気分が悪い、(笑い・悲しいなどが) とても
・wütend:❶激怒した、憤慨した ❷(述語用法なし) (感情・痛みなどが) 激しい
・sogar:(聞き手に対して情報を控えめに追加して) 実は、(強調して) さらに、それどころか

問い返す

語尾を上げて、問い返すイントネーションで言います。さらに相手の発言を促して「はい、それで?」のようなニュアンスです。

Paul! − Ja?
(ポール! − なあに?)

Morgen wird es regnen. − Ja?
(明日は雨になるよ。− そうなの?)

Ich hatte den Eindruck, dass diese Frau nicht zu Patrick passt. − Ja? Ich kann es nicht begründen.
(この女性、パトリックには合わない感じがしたわ。− そう? 理由が分からないな。)

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POINT

・der Eindruck:印象、感銘
・zu jdm./etw3(Dat.) passen:〜に合う、適している、ふさわしい
・begründen:(理由とともに) 証明する、弁明する、推論する

頭の中で

Ja, das kann nicht wahr sein!
(そうだ、そんなことあり得ない。)

Ich werde ihn verklagen, ja, das werde ich tun!
(彼を訴えよう。そうだ、そうしよう。)

Aber warum hat sie die Unwahrheit gesagt? Ja, warum?
(それにしても何故彼女は嘘を言ったんだろう。本当に、どうしてだろう。)

Ja, er war wie ein richtiger Vater zu mir.
(そうだ、彼は私にとって本当の父親のようだった。)

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POINT

・jdn. verklagen:訴える、起訴する
・die Unwahrheit:嘘、偽り、虚偽
・plötzlich:突然、急に、不意に

同調や肯定を期待

日本語ですと「〜だよね」「(同調や肯定を前提として)〜じゃないか」などに相当します。

Du kommst doch mit, ja?
(君ももちろん来るよね?)

Man kann ihm nicht glauben. Ja?
(彼は信用できない。そうだろう?)

Du holst sie also vom Bahnhof ab. Ja?
(あなたが彼女を駅まで迎えに行くの。いいでしょう?)

Dränge nicht so! Ich komme ja schon.
(そんなに急かすなよ! すぐ行くからさ。)

Sei nur nicht böse. Ich will es ja nicht wieder tun.
(怒らないでよ。二度としないから。)

Mach dir keine Sorgen. Du hast ja noch genug Zeit.
(心配することないよ。時間はまだ十分にあるじゃないか。)

Hast du gute Noten im Zeugnis. Aber du hast dich ja in Mathematik verschlechtert.
(通知表の成績がいいわね。でも数学が下がったじゃない。)

Warum hast du es ihm gesagt? Wir wollten es ja vor ihm geheim halten.
(何で彼にそれを言ったんだ。秘密にしておくはずだったじゃないか。)

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POINT

・jdn./etw. abholen:(用意されたものを) 受け取りに行く、(人を) 迎えに行く(来る)
・jdn. zu etw3(Dat.) drängen:人に〜を押し迫る、人に〜するように強く言う
・die Note:音符、楽譜、(学校の) 成績、評点
・das Zeugnis:❶証明書、成績(修了)書 ❷(専門家の) 判定書、鑑定書
・verschlechtern:さらに悪くする、悪化させる
・etw. geheim halten:〜を秘密にする、隠す

驚き・喜び

驚き、喜び・不快など、話者の感情を込めた言い方になります。

Es schneit ja.
(雪が降っているじゃないか。)

Da bist du ja endlich!
(やっと来てくれたんだね。)

Ich komme ja schon!
(すぐに行くよ!)

Das habe ich ja gewusst.
(もちろん知っていたよ。)

Du bist ja ganz nass!
(ずぶ濡れじゃないか。)

Was hast du denn? Du bist ja ganz blass.
(どうしたの? 顔が真っ青じゃないか。)

Das ist ja schrecklich!
(それはひどいじゃないか!)

Sie ist ja im Examen durchgefallen!
(彼女が試験に落ちるとはなぁ。)

Das ist ja wunderbar!
(本当に素晴らしいわ!)

Hier ist es ja unerträglich heiß.
(ここは本当に暑いなぁ。)

Hat er abgelehnt? Das ist ja nicht möglich!
(彼が断ってきたって? そんなことあるもんか。)

Es ist ja tatsächlich wahr. Das hätte ich nie gedacht.
(本当にそうなんだね。全く思いもしなかったよ。)

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POINT

・schrecklich:(知らせ・事件・病気などが) 恐ろしい、(匂い・暑さ・人混みなどが) 気分が悪い、(笑い・悲しいなどが) とても
・durchfallen:(試験に) 落ちる
・unerträglich:耐えられない、我慢できない
・ablehnen:(申し出・正体などを) 断る、(依頼・要求などを) 拒否する

強い要求

Bleibe ja zu Hause!
(家にいてちょうだい。)

Komm ja pünktlich!
(遅れずに来なさい。)

Seien Sie ja vorsichtig.
(よく注意してくださいよ!)

 Mach das ja nicht noch mal!
(二度としないで。)

Zieh dich nach dem Duschen ja warm an!
(シャワーを浴びたら暖かくしなさい。)

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POINT

・bleiben:(同じ場所に) 留まる、居る、残る、滞在する
・anziehen:❶身につける、着る ❷引き寄せる、惹きつける、虜にする

ためらい・譲歩

文中アクセントなしで、相手の言い分やその場の状況などを受け入れつつも、理由づけや事実確認などを表す言い方です。

Na ja, du hast schon recht.
(まぁ、君の言うことはもっともだ。)

Ich möchte ja, aber ich kann nicht.
(そうしたいけど、出来ない。)

Ich wollte dich ja nicht stören.
(君の邪魔をしたくなかったから。)

Deine Vorwürfe sind ja berechtigt, aber du hättest es mir auch ein bisschen netter sagen können.
(あなたの批判は正しいけれど、もう少し私に優しい言い方も出来たんじゃないの。)

Ich würde dich ja nach Hause fahren, aber meine Frau hat meinen Wagen zu Schrott gefahren.
(君を家まで送りたいけど、妻が僕の車をぶつけてしまったものだから。)

Diese Lösung ist ja momentan ganz gut, aber auf lange Sicht müssen wir uns etwas Neues einfallen lassen.
(この解決策は今のところ優れてはいますが、長い目で見れば新しいことを考える必要があります。)

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POINT

・„Na/Nun ja“. で、ややためらいつつの肯定を表します。
・stören:邪魔する (英語の interrupt, disturb)
・der Vorwurf:❶非難、批判 ❷(作品の) 題材、素材、テーマ
・berechtigt:正当な、根拠のある
・zu Schrott fahren:(口語) (乗り物をポンコツにする、おしゃかにする
・momentan:❶今のところ ❷束の間の、一時的な
・die Sicht:視界、視野
・jdm. einfallen:頭に浮かぶ、ふと思い出す


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