【心態詞 で表現を豊かに】ドイツ語トレーニング

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dochbloßjaebeneigentlichwohl などに代表されるドイツ語の心態詞

話者の心の動きを会話に添えるスパイスとしての機能をもち、生きたドイツ語にぐっと近づくことが出来る心態詞の使い方を、例文を読みながら学習していきましょう。

ご興味のある方は、当サイトで ドイツ語クイズ(5000問) を出題しておりますので是非ご覧ください。

目次

aberbloß
denndoch
ebeneigentlich
einfachja
malnoch
nunnur
schonvielleicht
wohl

心態詞とは

心態詞はドイツ語で Modalpartikel といい、語形変化や比較変化をしないドイツ語の不変化詞の中で、文の成分になることがなく、通常 アクセントを持たず、話者の主観的な心の動きを生き生きと、そして豊かに表現する 働きを持っています。

これらは他言語に訳すことが難しいとされていますが、例えば日本語にも「まあね」「せっかく」「どうせ」「ちゃっかり」「やっぱり」など、話者の感情を表す言葉はたくさんあるのと同じですね。

心態詞は特に「親しい人の間柄」で頻繁に登場しますので、生きたドイツ語の感覚を身につけることに繋がります。

aber

aber並列接続詞 として「でも」「しかし」の意味でよく使われますが、驚きや強調を表して「もちろん」「ほんとに」のようなニュアンスを持ちます。

Aber gern!
(もちろん!)

Das ist aber schade.
(それは残念だなぁ。)

Diese Tasse ist aber schön!
(このカップは何て素晴らしいのでしょう。)

関連記事:【aber の使い方】ドイツ語トレーニング

bloß

bloß は「裸の」「むき出しの」「単なる」のほかに、命令文での強い要求接続法2式 を用いた願望文で切実な気持ちを表したりします。

強い要求

Komm bloß nicht wieder!
(二度と来るな!)

Gehe mir bloß aus dem Wege!
(どいてよ!)

補足疑問文

怪訝・不快の気持ちを表します。

Wo bleibt er bloß so lange?
(彼はこんなに長い間、一体どこへ行っているのだろう。)

Wie kann sie bloß so niederträchtig lügen!
(どうして彼女はそんな卑劣な嘘をつくことが出来るんだろう。)

接続法2式

Wenn sie bloß bald käme!
(彼女が早く来てくれたらなぁ。)

Wenn die Miete bloß etwas billiger wäre.
(家賃がもう少し安ければなぁ。)

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POINT

・bleiben:(同じ場所に) 留まる、居る、残る、滞在する
・der Feigling:卑怯者、臆病者
・niederträchtig:卑劣な、下劣な、ひどい
・lügen:嘘をつく

denn

denn並列接続詞 として「というのは 〜 だからだ」を意味するほか、疑問文で驚き関心を表現します。

Was ist denn (los)?
(一体どうしたの?)

Hast du ihn denn gesehen?
(君は彼に会ったって言うのか?)

Was hast du denn daran auszusetzen?
(君は一体何が不満なんだ?)

関連記事:【dann と denn の違い】ドイツ語トレーニング

doch

doch は、並列接続詞 としての「しかし」や、否定疑問文に対して肯定をする場合の「いいえ」など様々な使い方があり、そのほかに命令文で苛立ちや、「〜じゃないか」のような反論、そして 接続法2式 を用いて実現不可能な願望のもどかしさなどを表します。

命令文での苛立ち

Höre doch endlich auf!
(いいかげんにやめてくれ。)

Lass mich doch in Ruhe!
(邪魔しないで!)

反論・抗弁

Du weißt es doch selbst.
(君は自分で知っているじゃないか。)

Das kann ich nicht. Ich bin doch kein Fachmann.
(それは出来ません。私は専門家ではありませんので。)

Mach das Fenster auf. ー Es ist doch viel zu warm im Zimmer.
(窓を閉めて。ー だって暑過ぎるんだもの。→ 暑いから敢えて窓を開けている、という反論)

Er will sich von seiner Frau scheiden lassen? Das ist doch nicht möglich.
(彼が奥さんと別れるだって? そんなはずはない。)

接続法2式

Wenn ich doch viel Geld hätte.
(お金がたくさんあったらなぁ。)

Ich möchte es doch wissen, wer das gemacht hat.
(私は誰がそれをしたのかどうしても知りたい。)

関連記事:【doch の使い方】ドイツ語トレーニング

POINT

・sich (von jdm.) scheiden lassen:(〜と) 離婚する
・der Fachmann:専門家、プロ

eben

eben は、「平らな」「滑らかな」「ちょうど今」のほかに、話者の状況に対する諦めの気持ちを表すことがあります。

Das ist eben seine Schwäche.
(何といってもそれが彼の弱点だ。)

Das lässt sich eben nichts machen.
(まったくどうしようもない。)

Du musst es nehmen, wie es eben kommt.
(成り行きに任せるしかないよ。)

関連記事:【eben の使い方】ドイツ語トレーニング

eigentlich

eigentlich の使い方は幅広く、「本来の」「基本的には」のほかに、「いったい」「そもそも」のように話者の疑念やもどかしさを表したりします。

Was ist eigentlich das Leben?
(人生とは一体何だろう。)

Was willst du eigentlich?
(そもそも君は何が望みなんだ?)

Wo sind wir eigentlich?
(ここは一体どこなんだ。)

Du könntest eigentlich etwas freundlicher sein.
(君はもっと親切にしてくれてもいいんじゃないの。)

関連記事:【eigentlich と tatsächlich の違い】ドイツ語トレーニング

einfach

einfach は「単純な」「簡単な」のほかに、「理屈抜きに」「絶対に」を表します。

Ich verstehe dich einfach nicht.
(君の気持ちが全然理解出来ないよ。)

Deine Idee ist einfach genial!
(君のアイディアはとにかく凄いね。)

Am besten gehst du einfach hin und bittest ihn darum.
(一番いいのは、とにかく彼のところへ行ってそれを頼むことだ。)

Ein gefällter Baum blockiert den Weg und ich kann nicht einfach mehr weiter gehen.
(倒れた木が道を塞いでいる。これ以上先には進めない。)

関連記事:【leicht と einfach の違い】ドイツ語トレーニング

POINT

・genial:(直感による) 見事な、天才的な
・hingehen:(ある所へ) 行く
・blockieren:(道路や通路を) ふさぐ、(人や乗り物などの通行を) 妨害する

ja

ja は、質問に対しての「はい」のほか、主観的感情を強めて 驚き・要求・喜び・ためらいなどを表します。

Na ja, du hast schon recht.
(まぁ、君の言うことも一理ある。)

Was hast du denn? Du bist ja ganz blass.
(何かあったの? 顔が真っ青じゃないか。)

Seien Sie ja vorsichtig!
(お気をつけください!)

Ich bin ja so glücklich.
(とても嬉しいです。)

Kannst du mit ihm sprechen? − Ich kenne ihn ja gar nicht.
(彼と話をしてくれる? − 私は彼を全然知らないじゃないの。)

関連記事:【ja の使い方】ドイツ語トレーニング

POINT

・blass:青白い、蒼白な
・vorsichtig sein:気をつける、注意する

mal

mal は、「〜倍」「以前」のほかに、要求を柔らかくして「ちょっと 〜 して」や、既成事実について「どうしたところで」を表したりします。

Warte mal!
(ちょっと待ってよ。)

Komm mal her!
(ちょっとこっちへ来なさい!)

Reichst du mir mal die Butter?
(ちょっとバターを取ってくれる?)

Es ist mal nicht zu ändern.
(それはもはやどうにも変更することは出来ない。)

関連記事:【mal と Mal の違い】ドイツ語トレーニング

POINT

・jdm. etw. reichen:人に〜を差し出す、提供する
・ändern:(人・物・事を) 変える、作り替える、修正する

noch

noch は、「まだ」「あと」「さらに」のほかに、覚えているはずであろうものを自問して「〜だっけなぁ」のように使います。

Wann war es noch?
(それはいつのことだっけ。)

Wie heißt sie noch/doch?
(あの女性の名前は何だっけ。)

関連記事:【noch の使い方】ドイツ語トレーニング

nun

nun は、jetzt よりもやや広めの時間的範囲および過去との関連を示して「今は」を表すほか、命令・催促・認容・慰撫 などの「さぁ」「さて」「まぁ」「とにかく」「やっぱり」のようなニュアンスで使われます。

Es ist nun mal so.
(とにかくそうなんだから仕方がない。)

Nun, was machen wir jetzt?
(さてどうしようか。)

Nun, warum antwortest du nicht?
(どうしたんだ、何で返事をしないんだい?)

Nun gut, ich bin einverstanden.
(まぁいいよ、分かった。)

Nun, lass uns noch darüber sprechen.
(まぁ、その点についてはもう少し話し合おう。)

関連記事:【jetzt・nun・gerade の違い】ドイツ語トレーニング

POINT

・(mit etw3/Dat.) einverstanden sein:〜に同意している

nur

nur は「〜だけ」「〜のみ」のほかに、不安や不快、そして条件文で願望を強調したりします。

Wenn sie nur käme!
Käme sie nur!
(彼女が来てくれたらなぁ。)

Wenn das nur alles eintrifft!
(全てが思い通りに行きさえすればなぁ。)

Hätte ich das nur nicht getan.
(こんなことをしなければ良かったなぁ。)

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schon

schon は「もう」「すでに」のほかに、これからすぐに起こるべきことにも用いられ、命令文で苛立ちを表したり、話者の発言を強調したりします。

苛立ち

Komm schon!
(さっさと来なさい!)

Hör schon auf zu singen!
(いい加減に歌うのをやめてくれ!)

確信・自信

Das wirst du schon noch bereuen.
(君は必ずあとでそれを後悔するだろう。)

Hab keine Angst. Sie wird schon kommen.
(心配しないで。彼女はきっと来るよ。)

認容・譲歩

Na ja, du hast schon recht.
(そうね、あなたの言う通りだわ。)

Wenn er das gesagt hat, dann muss es schon stimmen.
(彼がそう言ったのなら、そうなんだろう。)

疑問文で、たかをくくる

Was weißt du schon?
(君が一体何を知っているって言うんだ?)

Was nützt uns seine Ankunft schon?
(彼が来たところでどうなるって言うんだ?)

条件文で、「いっそのこと」

Wenn schon, denn schon.
(どうせやるなら徹底的に。→ 口語)

Um Deutschland richtig zu verstehen, muss man schon dorthin fahren.
(ドイツを本当に理解するためにはそこへ行ってみなければならない。)

Wenn wir schon eine neue Waschmaschine kaufen müssen, dann eine ordentliche.
(新しい洗濯機を買うなら、きちんとしたのがいい。)

関連記事:【schon の使い方】ドイツ語トレーニング

POINT

・bereuen:後悔する、悔いる
・nützen:【自動詞】役に立つ /【他動詞】利用する
(地域差はあるものの、「利用する」の意味では nutzen、「役に立つ」の意味では nützen が用いられる傾向があります)
・die Ankunft:到着
・ordentlich:【形容詞】きちんとした /【副詞】手際良く、巧みに

vielleicht

vielleicht は「もしかして」「ひょっとすると」など、可能性があまり高くない推量のほか、話者の驚きを表すこともあります。

Ist das vielleicht ihre Meinung?
(まさかそれが彼女の意見だなんて。)

Darüber habe ich mich vielleicht aufgeregt!
(それには本当に興奮したよ!)

関連記事:【vielleicht・vermutlich・wahrscheinlich の違い】ドイツ語トレーニング

POINT

・aufgeregt:aufregen「興奮させる、動揺させる、緊張させる」の過去分詞の形容詞用法です。

wohl

wohl は副詞で「健康で」「心地よく」を意味するほか、命令や要求を強めたり、消極的な同意を表したりします。

命令・要求を強める

Siehst du wohl!
(それ見たことか!)

Gehst du wohl raus?
(出て行ってくれよ。)

Willst du wohl damit aufhören?
(それはやめてくれないか。)

あまり確信が持てない推量

Heute kommt er wohl nicht.
(今日は彼はおそらく来ないだろう。)

Sie wird wohl keine Lust haben, mitzukommen.
(彼女はきっと一緒に来る気はないだろう。)

消極的な同意

Nun wohl, wir wollen es versuchen.
(まぁいいだろう、試してみよう。)

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