【es の使い方】ドイツ語トレーニング

英語の it などに相当するドイツ語の es は、漠然と何かを指して主語を埋めたり、先行する文の語句を受けたり、天気や時間などを表したりと、非常に多くの用法があります。

今回は、この es の使い方を例文とともにしっかりとマスターしていきましょう。

ご興味のある方は、当サイトで ドイツ語クイズ を出題しておりますので是非ご覧ください。

目次

es の格変化

※ 所有代名詞 は sein になります。

単数複数
1格essie
2格seinerihrer
3格ihmihnen
4格essie

非人称の es

自然現象や時間、非人称的状況の主語として用いられます。
述語の1格をもつ文章では、文頭に heutegesternmorgen などがある場合は、es は省略されるのが普通です。

Wie geht es dir? / Wie geht‘s?
(調子はどう?)

Es ist halb vier.
(3時半です。)

Es ist schönes Wetter.
(天気が良い。)

Gestern Abend regnete es.
(昨夜は雨だった。)

Ist es dir wieder besser?
(気分は良くなった?)

Es ist mir kalt. / Mir ist kalt.
(私は寒い。)

Im Zimmer war es dunkel.
(お部屋の中は暗かった。)

Heute Nacht hat es geschneit.
(昨夜雪が降った。)

Es klopft an der Tür.
(ドアをノックする音がする。)

Es ist ihm nicht mehr zu helfen.
(彼はもう助けようがない。)

Es wird bald Winter/Weihnachten.
(もうすぐ冬だ / クリスマスだ。)

Es rauscht leise im Garten.
(お庭の木々がかすかにざわめいている。)

Es freut mich, dich wiederzusehen.
(君にまた会えて嬉しいよ。)

Es war noch 4 Uhr, als ich aufwachte.
(私が目を覚ましたときはまだ4時だった。)

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POINT

・an die Tür klopfen:ドアをノックする
・rauschen:(川の水・風・木の葉などが) さらさらと音を立てる
・aufwachen:起きる、目覚める

文頭を埋める

ドイツ語の文は、前に既知情報、そのあとに新情報が来るのが基本ですが、既知の情報が無い状態で新情報が提示されることがあります。このような場合に、仮主語として文頭を埋めるために es が登場します。

Es brennt!
(火事だ!)

Es blüht eine schöne Blume.
(美しい花が咲いている。)

Es war einmal eine Königstochter.
(昔むかし、あるところにお姫様がいました。)

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POINT

・brennen:燃える、燃焼する、(明かりが) 灯っている、(傷口などが) ヒリヒリする
・blühen:(果樹などが) 開花する

受動表現

4格目的語をもたない動詞の受動表現では、文頭のみに es が登場します。

Es wurde den ganzen Tag getanzt.
(終日ダンスが行われた。)

Es ist im Hotel gestohlen worden.
(ホテルで盗難があった。)

関連記事:【werden と sein/受動態の基本 編】ドイツ語トレーニング

再帰表現

様態を表す語句を伴って、再帰的な主語として用いられます。

Es fährt sich bequem mit diesem Auto.
(この車は乗り心地が良い。)

Es sitzt sich auf diesem Sofa sehr angenehm.
(このソファは座り心地が良い。)

Es wohnt sich angenehm in dieser Stadt.
(この街は住み心地が良い。)

Es trinkt sich schlecht aus diesem Glas.
(このグラスは飲みにくい。)

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POINT

・bequem:心地よい、快適な、手軽な、便利な、くつろいだ
・angenehm:快適な、魅力的な、気持ちの良い、楽しい

漠然と状況を表す

文法的な主語として用いられ、es が何を指すかは文脈や状況によって決まります。

Es geht nicht.
(それはダメだ。)

Es klingelt.
(ベルが鳴っている。)

Leider kam es anders.
(残念ながらそうはならなかった。)

Es war wirklich schön an dem Tag.
(あの日はとても楽しかった。)

Ich habe es endlich geschafft!
(とうとうやったわ!)

Es war vor einem Jahr in München.
(それは一年前のミュンヘンで起こった。)

Gefällt es dir in Würzburg?
(ヴュルツブルクは気に入ったかい?)

Es zieht mich immer wieder dorthin.
(私はいつもそこに行きたい衝動に駆られる。)

関連記事:【ziehen】ドイツ語の基本動詞をマスターする

POINT

・klingen:①(音・ベルなどが) 鳴る (または鳴らす)、響く ②〜に聞こえる、〜な印象を与える、〜のように思われる (英語の sound)
・jdm. gefallen:気に入る (主語は「気に入っている対象の人や物」ですので注意してください)
・dorthin:そこに、そこで

主語や目的語を表す

既出の名詞や形容詞を指して、「それ」「彼」「彼女」を表します。

Ich kenne seinen Vater. Es ist ein bedeutender Mann.
(彼のお父様を知っています。立派な方ですよ。)

Das Mädchen schläft, lass es ruhig liegen.
(少女は眠っている。そっとしておきなさい。)

Sein Vater war Arzt, und er will es auch werden.
(彼の父は医者だった。そして彼もまた医者になりたいと思っている。)

Dein Vater ist sehr groß. Du wirst es sicher auch.
(君のお父さんはとても背が高いね。君もきっとそうなるよ。)

Auf der Straße zwei Kinder. Es sind meine Söhne.
(道で2人の子供が遊んでいるが、あれは私の息子たちだ。)

Ich kaufte mir ein Radio und stellte es auf den Tisch.
(私はラジオを買ってそれをテーブルの上に置いた。)

Er hat ein neues Buch geschrieben und es ist ein Bestseller geworden.
(彼は新しい本を書いたが、それはベストセラーになった。)

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POINT

・bedeutend:重要な、大きな、有名な、影響力のある
・ruhig:静かに、平和に、落ち着いて

成句的表現

es 自体は意味を持たないものの、形式的な目的語として構文上 es が必要になる場合の表現です。

Ich habe es eilig.
(私は急いでいます。)

Es gibt hier viele Schlangen.
(ここには蚊がたくさんいる。)

Sie haben es auf ihn abgesehen.
(彼らの狙いは彼だ。)

Maria meint es gut mit Jack.
(マリアはジャックに好意を持っている。)

Ich halte es mit ihr nicht mehr aus.
(彼女はもう我慢ならない。)

Es gibt vieles, wozu ich mehr Lust hätte.
(私はもっとやりたいことがたくさんあるのです。)

Bei der Berufswahl kommt es nicht nur auf das Einkommen an.
(職業の選択において決め手になるのは収入だけではない。)

Es ist schwer zu glauben, dass es sich dabei um einen Zufall handelt.
(これが偶然だとは信じがたいです。)

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POINT

・es eilig haben:急いでいる (英語の be in a hurry)
・auf jdn./etw. absehen:〜を狙う
・es mit jdm. aushalten:(不快な人に) 耐える、我慢する
・es gut mit jdm. meinen:人に好意を持つ
・die Wahl:選択、選挙
・es kommt auf etw.:~にかかっている、決め手となるのは~である
・es handelt sich um jdn./etw.:これは〜だ
・der Zufall:偶然

前文の重点部分を指す

Sie ist tot. Aber Kevin weiß es nicht.
(彼女は亡くなった。だがケヴィンはそれを知らない。)

Richard lernt Deutsch und Jennifer tut es auch.
(リチャードはドイツ語を学んでおり、ジェニファーも学んでいる。)

Er kann Schlittschuh laufen, aber ich kann es nicht.
(彼はスケートが出来るけれど、私は出来ない。)

Ich hatte ihn in Verdacht, aber wollte es niemandem sagen.
(私は彼を疑ったが、誰にも言わなかった。)

Sie ist aus Italien, ich habe es von ihrem Mann gehört.
(彼女はイタリア出身なのよ。ご主人から聞いたの。)

Er siegt oft im Wettkampf, aber es macht ihn nicht überheblich.
(彼はよく試合に勝つものの、だからといって威張らない。)

Sie hat gelogen, will es aber nicht wahrhaben.
(彼女は嘘をついたのにそれを認めようとしない。)

Sie hat ihn geheiratet, aber es freut ihren Vater nicht.
(彼女は彼と結婚したが、彼女の父親はそれを喜んではいない。)

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POINT

・im Kampf siegen:試合に勝つ
・überheblich:(人が) 高圧的な、横柄な、高飛車な
・lügen:嘘をつく
・etw. nicht wahrhaben wollen:〜を受け入れることを拒絶する、〜を信じようとしない

後続する文や語句を予告する

関係文の先行詞や、後続の副文、そして zu 不定詞句 などを予告して用いられます。

※ 副文とは、dassals などの 従属接続詞 に導かれた文のことで、主文の内容を補足的に説明する役割をもっています。

Es ist sicher, dass sie kommt.
(彼女が来るのは確実だ。)

Es ist ungesund, zu rauchen.
(タバコを吸うのは健康に良くない。)

Ich finde es eigenartig, dass sie noch nicht da ist.
(彼女がまだそこにいないのは不思議だと思う。)

Heute sind es zehn Jahre, dass wir verheiratet sind.
(今日は私たちが結婚して10年目だ。)

Es war in Nürnberg, dass wir uns zum erstmal trafen.
(私たちが最初に会ったのはニュルンベルクだった。)

Es waren meine Kinder, die mich auf dem Bahnhof abholten.
(私を駅に迎えに来たのは子供たちだった。)

Er wusste es, dass ein Unrecht geschehen war.
(彼は、不正が行われたことを知っていた。)

Nick behauptet es, dich gesehen zu haben.
(ニックが君を見たと言い張ってるよ。)

Ich halte es für unmöglich, Kontakt zu ihr zu bekommen.
(僕が彼女と接触することは無理だと思う。)

Ich bin es, der/die gestern Sie angerufen hat.
(昨日あなたに電話をかけたのは私です。)

Ich bedauere es sehr, dass ich Sie gekränkt habe.
(あなたを傷つけたことを申し訳なく思います。)

Es ist ihr Wunsch, Schauspielerin zu werden.
(彼女の望みは女優になることです。)

Es war Frau Müller, die zuerst gesprochen hat.
(最初に口を開いたのはミュラー夫人だった。)

◆ 副文や zu 不定詞句が前に置かれると、主文の es が不要になるため省かれますが、wenn 条件文の場合は省かれません

Ob er kommen wird, ist noch unsicher.
(彼が来るかどうかはまだはっきりしない。)

Fremdsprache zu lernen ist interessant.
(外国語を学ぶことは面白い。)

Wenn ich in deiner Situation wäre, würde ich es gleich tun.
(もし僕が君の立場だったら、すぐにそれをすると思うよ。)

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POINT

・eigenartig:独特の、おかしな、奇妙な
・treffen:①(弾丸・打撃・光線などが) 命中する、当たる ②(くじ・順番などが) 当たる ③(対象を) うまくとらえる ④(人に) 出会う、出くわす
・jdn./etw. abholen:(用意されたものを) 受け取りに行く、(人を) 迎えに行く(来る)
・behaupten:主張する、断言する
・jdn. kränken:意地悪をする、(人の感情・自尊心などを) 傷つける

3格・4格

es の3格・4格が前置詞を伴う場合、普通は「da(r) + 前置詞」のかたちをとります。

Auf dem Tisch stand ein Topf, und daneben einige Tassen.
(テーブルの上にはポットがあり、その隣りにいくつかのカップがあった。)

Ich bin stolz darauf, sie zu meinen Freunden zu zählen.
(私は彼女が友人の一人であることを誇りに思います。)

関連記事:【rechnen と zählen の違い】ドイツ語トレーニング

POINT

・auf jdn./etw. stolz sein:〜を誇りに思う
・zu jdm./etw. zählen:〜に数えられる


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