【aber の使い方】ドイツ語トレーニング

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ドイツ語で「しかし」「でも」を意味する aber は、英語の but に相当する語で、主に並列接続詞 そして 心態詞 として使われます。

今回は、aber の使い方を豊富な例文とともにしっかりとマスターしていきましょう。

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目次

aber の役割

aber は、大きく分けて並列接続詞(等位接続詞)、副詞、そして 心態詞 の使い方があります。

<aber の使い方>

接続詞:前文と後続の内容を対比させ「しかし」「でも」を表す

副詞:動詞・形容詞・名詞などを修飾する

心態詞:話者の主観的感情として、驚きや命令、苛立ちなどを表す

aber は、「〜だが、しかし . . . だ」を意味する接続詞の中で最も一般的に使われます。

皆さんもご存知のように、「前言との対比を述べる」ということは、相手に 「意外性」や、場合によっては「負担」が生じる可能性が非常に高いわけです。

例えば日本語でも、「申し訳ないのですが、〜をお願いします。」と、依頼の前に予め謝罪をしておいたり、「しかし彼女は美人だね」と、一種の前置きのように用いられるのと同じで、共通点が多い aber の語感は比較的イメージしやすいかと思います。

そして「心態詞」とは、話者の気持ち(主観的心情)を生き生きと表現するときに使われるドイツ語独特の言葉で、代表的なものには dochbloßschonjaebeneigentlichnunwohlmaleinfachdennnur などがあります。

それでは、aber の使い方を詳しく見ていきましょう。出来るだけ例文を声に出して読み進めてください。

並列接続詞

主文と副文を構成する 従属接続詞 と違い、並列接続詞 は主文と主文を繋ぐため、定動詞の語順には影響がありません。また、aber は主語のあとに置かれることもあります。

しかし、でも

Die Tasche war klein, aber schwer.
(その鞄は小さいが重かった。)

Heute kann ich nicht, aber morgen.
(今日はダメだけど、明日ならいいよ。)

Mein Smaragd ist klein, aber fein.
(私のエメラルドは小さいけれど、質は良い。)

Es tut mir leid, aber du irrst dich.
(残念だけど、君が間違っているよ。)

Ich liebe sie, aber sie liebt mich nicht.
(僕は彼女を愛しているけれど、彼女は僕を愛していない。)

Es tut mir leid, aber ich muss wirklich gehen.
(悪いけど、行かなきゃならないんだ。)

Die Kinder schlafen, aber die Mutter ist noch wach.
(子供たちは寝ているが、母親はまだ起きている。)

Sie ist kein Japaner, aber sie spricht fließend Japanisch.
(彼女は日本人ではないが、流暢に日本語を話す。)

Sie ging einkaufen, er aber blieb zu Hause.
(彼女はお買い物に出かけたが、彼は家に残った。)

Aber das stimmt doch gar nicht!
(でも絶対にそんなはずはないよ!)

Er ist zwar alt, aber noch rüstig.
(彼は歳をとっているが、今なお矍鑠としている。)

Die Mathematik macht ihr Schwierigkeiten, aber sonst lernt sie in der Schule gut.
(彼女は数学が苦手だが、その他の成績は良い。)

Du bist zwar mein Freund, aber ich kann dir nicht die Geheimnisse verraten.
(君は僕の友達だけど、その秘密を打ち明けるわけにはいかない。)

Ich gebe zu, dass er seine Arbeit gewissenhaft ausfüllt. Aber was ihm fehlt, ist die Leidenschaft dazu.
(彼が仕事を丁寧にやってくれているのは認める。だが、彼に欠けているのは仕事への情熱だ。)

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POINT

・irren:間違いを犯す、思い違いをする
・wach sein:目が覚めている、起きている
・stimmen:適合する、(事実に) 合っている、(計算などが) 正しい
・rüstig:元気な、かくしゃくとした
・sonst:❶そのほかに、さらにまた ❷いつもは、普段は ❸もしそうしなければ ❹以前、かつて
・verraten:(正体・秘密などが) 現れる、漏れる
・zugeben:付け加える、認める
・gewissenhaft:【形容詞/副詞】良心的な、丁寧に

そして、それから

aber の本来の意味が薄れ、und「そして」のような意味で用いられることがあります。

Als es aber dunkel wurde, machten sie eine Pause.
(それから暗くなって、彼らは休んだ。)

Der König hatte zwei Söhne, der eine hieß Johann, der andere aber Ludwig.
(その王様には息子が2人おり、一方はヨハン、もう一人はルートヴィヒといった。)

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POINT

・eine Pause machen/einlegen:休憩をする、一休みする、息抜きをする

副詞

Samstags arbeitet man nicht. Daniel aber arbeitet.
(土曜日は仕事は無い。しかしダニエルは働いている。)

Gestern war die Hauptstraße leer, heute aber ist sie lebhafter.
(昨日、中央通りは静かだったが、今日は活気がある。)

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POINT

・lebhaft:活発な、生き生きとした、はっきりと、(記憶などを) 鮮明に

話者の気持ち

aber心態詞 として、話者の「期待を超える驚き」や「やや怒りを込めた反論苛立ち」などを表現することがあります。

Er ist aber groß!
(彼は背が高いなぁ。)

Das ist aber schön!
(それはただただ素晴らしい。)

Du bist aber gewachsen!
Du bist aber groß geworden!
(大きくなったねぇ。)

Schmeckt dieser Wein aber gut!
(このワイン、美味しいじゃないか。)

Das ist aber schade.
(それは残念だなぁ。)

Sie lässt uns aber lange warten!
(彼女はやけに待たせるなぁ。)

Aber so hören Sie doch!
(まぁ聞いてくださいよ。)

Nun aber schnell!
(さぁ急いで!)

Nun hör aber mal auf!
(いい加減にやめろよ。)

Es ist aber doch so!
(だってそうなんだもの!)

Das Suchen im Internet macht mir aber viel Spaß.
(ネット検索がとにかく楽しいんだ。)

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POINT

・aufhören:【自動詞】止まる、終わる、(mit etw3/Dat.) やめる /【他動詞】(zu 不定詞) 〜するのをやめる
・Spaß machen:楽しい

決まり文句

Aber, aber!
(まぁ、まぁ。→ なだめるように)

Aber immer!
(ええ、もちろんですとも。)

Aber nein!
(とんでもない!)

Kommst du mit? − Aber, ja/natürlich!
(一緒に行く? − 当たり前さ。→「聞くまでもないだろう」のニュアンス)

Würden Sie mir bitte helfen? − Aber gern!
(手伝っていただけますか? − ええ、もちろん。)

Er muss die Ehre wählen oder aber den Tod.
(彼は名誉か死のどちらかを選ばなくてはならない。)

Jack muss die Miete bezahlen oder aber das Zimmer räumen.
(ジャックは家賃を支払うか、部屋を明け渡さなければならない。)

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POINT

・wählen:選ぶ、選出する、選択する
・oder aber:もしくは、〜でなければ
・etw. räumen:明け渡す


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